悠佑編 ページ6
あー。文化祭かぁ。
[1年5組はロミジュリの劇をします。]
いや、ようちすぎやろ
[ジュリエットやりたい人〜]
『はーい』
え?ジュリエットセリフめちゃあるで?
挙げたのは俺の彼女。
『…え?私だけ?』
[じゃあAさんよろしく]
『はぁーい!』
…天使かよ。
勇気があったらロミオをしただろう。
でも俺には当分無理。
はぁー。可愛い。
…で、気づいたら後俺だけ。
[…おーい、悠佑さん何するー?]
「あ、俺大道具でええよ…」
[はい!じゃあ決まりね!]
…ロミオ初兎なんかい。
{ねぇ、あにき、これ金属で作ったら?}
急に言い出したのはりうらだ。
「背景?うん、ええと思う!」
そうして背景を作った。
俺にしてはいい方。
(我愛しの人のために…何やったっけ?)
いや、初兎まともにやれや。
『あぁ!ロミオ様!』
ちゃんとやってるやろ?俺の彼女は、初兎と違って!
『…なんだっけ!』
あ、全然まともやなかった。
そして本番の日。
「よし…セット完了…」
いや、一時間もやったんで?
『あぁ!ロミオ様!…なんやったっけ!』
まだ言ってんのかい!
その時不意に聞こえた、
‘危ない!’という声。
明らかにステージからだった。
…ん?ステージ?
さっき…Aと初兎が…
って!おいおいまさか?!
がっしゃーん!!!
‘きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!’
‘うわぁぁぁぁぁぁぁ!!’
何があったのか行くまでわからなかった。
{ねぇ!あにき!どうしよう!}
りうらが走ってきた。
{Aが…Aが下敷きになってる!}
「…えっ?!」
今すぐ助けようと俺は持ち上げようとした。
鍛えてる俺でもなかなか持ち上がらない。
金属だもん。全体。
…え?金属…?
やべぇじゃん!
6人でやっと持ち上がった大道具の下には
まだ意識がある彼女がいた。
「A!」
『悠くん…私…もう無理そう…』
「そんなこと…言うなよ…」
『だって…息…できない…もん…』
『最後に見れたのが悠くんでよかったよ…^^』
『じゃあね…』
「待ってや!」
『最後…』
「一緒に言おう。」
「『愛してる』」
そうやって彼女は血だまりの中で息を引き取った。
「A…っ!」
もちろん文化祭は中止。でもそんなのどうでもよかった。
「A…来年の文化祭…一緒に行こうな…」
俺は彼女の写真を持って言った。
で、今年もロミジュリなんやけど、俺は彼女の意思を継いでロミオ役をした。
「A、大成功やったで。」
俺は天に向かって言った。
2000字行ったわw
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めい - え、最高!でした。悲しいけど、面白かったです! (2023年3月31日 11時) (レス) @page7 id: 16df366cc3 (このIDを非表示/違反報告)
黒黄 悠里 - 気軽に感想書いていいですよ! (2022年6月3日 20時) (レス) @page6 id: 2bb3a50c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒黄 悠里 | 作成日時:2022年4月29日 18時