.*･ﾟ 私は花吐き病 II .ﾟ･*.

私は花吐き病 50 ページ7

乱数side


「まず、(栞) 帰ってきてくれてありがとう。
……おかえり」


会った時からずっと言いたかった言葉
(栞)が帰ってきてくれたら 必ず言おうと決めていた
彼女が出ていってしまった理由は完全に僕達のせいだから
責める理由なんてひとつもない。
(強いて言うなら 寂雷のじじいの所にいたのはメッ！って言いたいけど)

俯きながら言った言葉に なんの返答もないから
不安になって顔を上げて彼女を見れば



『……っ、』



今まで見てきた中で 1番悲しい顔をしていた




「ど、どうしたの?!ごめん、泣かせるつもりは……」

『…ううん、……まさか、おかえりなんて
言って貰えると思わなくて……』

「……」


本当にこの子は自分を卑下してばっかりだなぁ
おかえり以外の言葉なんて ある訳ないのに



「ずっと、(栞)を探してた。
誤解をときたくて でも嫌われていたらと思うと怖くて、」

『…きらいになんてなれないよ
私の方こそ 勝手に出ていって もう飽きられたかと思ったもん』


……そんなわけない

(栞)がいない時間が 短いようでとても長く感じた。

どんなに忙しくても(栞)の為なら何でもしてあげたかったし
オネーサンとの約束もどうだっていい。
そばにいられるだけで幸せだった



「…花吐き病に関してはずっと前から皆で探してて、
ヨコハマの警察の人、そこから一郎達が調べてくれたんだ。ただ、知ってしまった内容は気持ちのいいものじゃなかったから (栞)にどう伝えたらいいか迷ってる時に全ディビジョンの集まりがあった。
…帰ったら話そうと決めていたけど 幻太郎はずっと反対してたし、(栞)はいなくなってたから……」



彼女を横目で見れば
涙と共に 花びらが1つ ひらりと舞った

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