.*･ﾟ 私は花吐き病 II .ﾟ･*.

私は花吐き病 67 ページ25

(栞)side


「そっかあ……確かに、綺麗なオレンジだもんね」


『うん……他にもいろいろあったけど
思い出があって綺麗だと思ったのは まずそれかな。』



自分が吐いてきた花は全て覚えている。



TDD時代に発症し、初めて吐いたマリーゴールド


その後にTDDが解散し、悲しくて泣いた日に吐いた紫のヒヤシンス
乱数が他のオネーサンと遊びに行ったのを見かけた時は赤いヒヤシンス


幻太郎に初めてあった日はフジの花
帝統に初めてあった日は黄色のガーベラ


他に沢山あるけれど 言い出したらキリがない、

中でもやっぱりマリーゴールドだけは
特別な気がした。


「(栞)、もう1つ聞いてもいい？」

『うん、』

「さっきのゼラニウムの花を吐く前
……もう1つ花を吐こうとしてたよね？」


『……!!!』


「あれ、何の花だったのか 教えて欲しいな」


あの時、乱数からのキスが嬉しかった反面
思わず吐き気に襲われて口を抑えてしまった時の
花のことを覚えていたんだ…

確かに花びらは落ちたような気もするけど
それ を言うってことはもう、


想いを伝えるのと同じなんですけど……

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