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「ずっと…、ずっと勇吾の側にいる。
何があったって絶対に離れないよ」
「宏光…」
「勇吾も、そう思ってくれてるでしょ?」
勇吾の目が僅かに揺れる。
ずっとなんて不確かな言葉なんて信じていないと言いたげな様子で…。
それでも勇吾は俺の手を取り、言葉を吐き出す代わりに左手薬指の付け根に唇でキツく吸い上げた。
「んっ…!」
離されたソコには薄っすらと痕が残り、勇吾は満足そうに目を細め…愛しいものを見るような目で俺だけを見てくれていたんだ。
夕食の準備をしたいからと名残惜しく勇吾の腕から抜け出して、キッチンに入りお気に入りのエプロンを付ける。
勇吾は雑誌と漫画を持ってきてリビングのソファーに寝そべった。
楽しみにしていてほしいから部屋にいてと言ったのに、俺から離れるの嫌なんだって。
俺が双子の為に腕を振るうところを見ていたいんだって。
そういう事はちゃんと伝えてくれるんだよね。
今日のメニューはミネストローネと唐揚げ、それにオムライス。
ザ洋食って感じだけど誕生日くらいは好きな食べ物だけでお腹を満たしてあげたい。
我ながら甘いなぁと思うけど、まぁ…二人とも俺以外の人には甘える事を全く知らない感じだからせめて俺だけはたくさん甘やかしてあげたい。
雑誌に顔を埋めながらチラチラと感じる視線に自然と頬が緩む。
「勇吾」
「っ…、……なに?」
「ミネストローネ、ちょっと味見してくれる?」
「…ったく、仕方ねぇな」
ふふ、そんな嬉しそうな顔しちゃってたら、悪態ついているのも何の意味もないよ。
深めの小皿に少しよそって、熱いよと言って渡した。
ふぅふぅと冷ます時の唇にうっかりと釘付けになってしまうのは、…さっきまでの甘く幸せな時間からそう経っていないのだから無理もない。
ゆっくりと味わって、美味いな…と綺麗な顔が柔らかな笑みを浮かべた。
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絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時