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お酒を扱う勇吾の手は繊細で、目の奥は静かな闘志に満ちているように見える。
配分にとことん拘り、シェイカーを振る角度…回数も全部拘りがあるのだと以前話してくれた。
プロだなぁって感心したのを覚えている。
料理はほとんどしないけど、これだけカクテルが作れるのだから料理だって同じように要領を掴めば絶対上達するだろうに…勿体無いと呟けば、料理はお前の味が好きだから必要ないのだと。
それってさ、ずっと一緒にいてくれるって解釈しちゃうよ…?
「ん?」
「ふふ、何か今プロポーズされたなぁって」
「は?」
意味がわからないと眉間に皺を寄せる勇吾が愛おしくて、こっちの話だよとクスクス笑っているとやがてシェイカーの振る音が止んだ。
「さすがにカクテルグラスは買ってないから、これな?」
「充分だよ」
ロックグラスに出来立てのカクテルを注いでくれる。
しゅわしゅわと小気味の良い音を立てながら弾けていく炭酸の様に目を奪われる。
「ジンベースで作った特製カクテルでございます」
「…っ」
「お口に合うと良いのですが」
スッとグラスを目の前に置かれ、綺麗なお辞儀とともに紡がれる丁寧な言葉遣いは、バーテンダーの勇吾だ。
かっこいい…
惚けたように見入っていると、存在をすっかり忘れていたテレビから不似合いな笑いが起こった。
「あー…良い雰囲気が台無しだな」
プツッと電源を落とせば、再び心地良い空間に包まれる。
隣に勇吾が座り俺が口付けるのを待っている。
いただきますと呟いてひと口味わえば、爽やかな酸味とほのかな甘みの後にジンのさっぱりとした風味が追いかけてくる。
ほぅ…と息を吐き出せば、ジンのアルコールが鼻から抜けていき、程よい開放感に浸った。
「如何ですか?」
「とっても美味しいです…。
ありがとう、…バーテンさん」
照れながら伝えると、勇吾は俺の手からグラスを奪い口に含み、舌の上で味を確かめていた。
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絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時