勇吾のハジメテ ページ31
8、勇吾のハジメテ
side宏光
風呂上がり、リビングに戻りソファーを陣取ってテレビを付ける。
ほてった身体を冷ましながらぼんやりとテレビを眺めていると、ガチャっとドアが開いた。
「あ」
「おぅ」
出会ってからもう20年の付き合いになるのに、顔を見るだけで未だに頬が緩む。
「…もう寝るのか?」
「んー…もぉちょっとダラダラしてるかも」
「そうか…」
何か言いたげな様子にどうしたのとやんわり促せば、あー…と髪に手を当てながら勇吾の目が俺を真っ直ぐに捉えた。
「一杯、どうだ?」
「お酒?」
「あぁ」
「ふふ、良いよ」
ビールでも呑みたくなったのかな?
でも勇吾はビールより甘いカクテルの方が好きだよな…。
よいしょと腰をあげれば座ってろと手が肩に触れる。
はぁいとお言葉に甘えればフ…と優しい笑みを向けられポンポンと頭を撫でられる。
もしかしたら、今すごく機嫌がいいのかもしれない。
再びテレビに目を向けて隣に来るのを待っていたが、なかなか来る気配が無くて振り返る。
わぁっと声を上げれば、キッチンにいる勇吾が静かに笑った。
「何っ?お酒作ってくれるのっ?」
「こないだ言ったろ、一番に呑ませてやるって」
「まさか…勇吾の新作っ!?」
「あぁ」
先日雨の中店まで迎えに来てくれた勇吾と一緒に歩いた帰り道、店に出す新作を考えているのだと笑みを浮かべて話していた勇吾に、出来たら俺が一番に呑みたいとわがままを言った事を覚えてくれていたらしい。
そして驚きはそれだけじゃなくて、徐に取り出された銀色にぶわっと高揚感が込み上げる。
「シェイカー…!」
「やっぱこれが無いと良い味出せないからな」
「いつの間に買ったのっ?」
「あー…まぁ、練習用に」
「へぇー…!」
まさか自宅でシェイカーを振る勇吾を見られるなんて…っ。
すごく嬉しくてワクワクが止まらなくてシェイカーを扱う勇吾を穴が開くほど見つめていると、さすがに見過ぎだろと苦笑される。
何と言われようとこればかりは少しも目を外したくはない。
バーテンダーの勇吾は、とてもかっこいいのだ。
756人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時