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「何かしてほしい事ある?」



響かないように気を使って小さな声で話しかけられる。
俺の頭をそっと撫で指に触れ、末端まで冷えていることが分かると両手で包み込まれ息をハーっと吹きかけられた。

薄っすらと目を開けると心配そうな目で見つめられていて、こんなんじゃまるで病人みたいだと苦笑した。



「……そんな顔すんな、慣れてる…」
「でも俺は慣れない…、勇吾が辛いのは…いや」
「…来い、宏光」



宏光の手を軽く引くと、俺の顔色を見ながら静かに隣に入り込んできた。
腕を伸ばして宏光の頭の下に置くと、モゾモゾと距離を俺の方へと詰めてくる。

かわいい生き物…、家族以外に大切にしたいと思える…唯一の存在。

緩めのウェーブが掛かった茶色の柔らかな髪を撫でているとそれだけで気分が和らぐ。
ぎゅっと抱き込んで大きく息を吐き出すと、大丈夫…?と不安そうな声を出し俺の背中を摩り始めた。



「気分悪いの…?」
「…少しだけな」
「それ、絶対すごくだろ…」
「いいから、…側にいろ」



あれこれと世話を焼かれるよりもこうしてお前を抱きしめていられたらそれでいい…と、静かに呟く。
宏光はそっかと小さく笑って、俺の胸に擦り寄った。

子ども体温という訳ではないのに宏光はいつもあたたかい。
物理的な体温もそうだけど、それよりもっと大きな意味で宏光はあたたかい。



そのあたたかさに、俺は何度救われてきただろう…



俺の呼吸に合わせて優しく摩ってくれる手の温もりにだんだんと睡魔が襲ってくる。
眠くはあるがもう少しだけ宏光を堪能していたい…、そんな葛藤に声を出さず格闘していると、雰囲気で伝わったのか宏光はふふっと笑った。



「眠いなら寝ちゃえばいいよ。
まだ時間はたっぷりあるし…、寝ている勇吾残して、勝手に仕事行ったりしないからさ」



寝てもいいんだよと穏やかに囁かれ、宏光の香りに包まれながら意識をゆっくりと手放した。

3→←低血圧な朝



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設定タグ:藤北 , キスマイ , ミラー・ツインズ   
作品ジャンル:タレント
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絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時

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