RE:I AM

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初めからこうすれば良かった。



事故が起きた朝とか…デビューした日とか…、そんな不確かな可能性に縋らずに、初めからこうやって…関わりを断つ道を選んでいればよかった。

そうすれば、徒らに何度も苦しい思いをさせずにすんだ。

俺一人が我慢すれば、事故は回避できる…簡単な事だった。



それでも躊躇してしまうのは、青春時代全てを共にした彼らとの時間を手放す事が…この身を裂かれるくらい辛かったからだ。

できるなら…この道を選びたくはなかった。






未来は変えられたのだから、もうこれは必要ない…

そう思いながら残った1枚のカードを眺めていたら、まるで意図が伝わったようにカードはひらりと空を舞って見えなくなった。






今でも目を閉じればたくさんの思い出が蘇る。

そんな中でも俺の胸を熱く焦がして止まない思い出は酔っ払った北山に口付けたあの夜。




酒に酔って赤らんだ顔が

何度も重ねた唇が

好きだと告げられた想いが…



今でも鮮明に覚えている。




…かわいかった。本当にかわいかった。

お前のせいで俺、もうどの女性見てもかわいいって思えなくなったよ。

こんな事になるならあの夜やはり無理矢理にでも一回くらい抱いていればよかったか。
…なんて、できるはずもない事を考えては一人笑った。




だけど大丈夫。

皆が、…北山が、これからも笑って生きていける未来が繋がったから、俺ももう思いを断ち切る事ができる。
皆と別々の世界でも、胸を張って生きていける。







そう、思っていた。









「おわっ…」
「危な…っ、ごめんなさい、余所見してて…っ！？」
「あ…こちらこそすみませんっ」



何で…ここに…っ。






活躍をすっかり追わなくなって3年、突如君は俺の前に現れた。

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