RE:I AM

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テレビに映るだけが仕事ではないのだと諭され、そこは確かにそうなんだよなと北山の言葉が響いた俺は、それ以来あからさまに暴言を吐く事は控えていた。

だからといってメンバーとの距離を詰める気は更々なくて、とにかく無関心というスタンスを貫いていた。





そんな俺の雰囲気がもう当たり前になりつつある頃、仕事終わりにわたにいきなり呼び止められた。
一体何の用だろうと見据えると、静かに俺を見返していて、これは滅多に見ない本気で怒っている顔だと理解した。



「……何か用？」
「…お前さ、一体いつまでそうやって雰囲気悪くするつもり？」
「はぁ？何？前に比べたらだいぶ譲歩してやってるつもりだけど。まだ仲良しごっこしたい訳？」



挑発するような言葉を投げかけてみるも、わたの表情が変わる事はない。
それどころか呆れたように小さくため息をついた。



「…藤ヶ谷さ、下はお前に何も言えないだろうし、みつはああいう奴だから言わないだろうから、俺が言わせてもらう」
「だから何だよ」
「…いい加減にしろ。いつまでもそうやってグループに悪影響与えるようなら、社長に言ってお前を抜けさせるよう頼む事だってできるんだぞ」
「ハッ…何言ってんの？俺抜けてお前らやっていけんの？そういうの、歌もダンスも完璧に仕上げてから言ってくんない？」



わざと神経を逆撫でするような言葉を選んでも、わたは一切動じない。
本気でもう俺に未練はないという空気を感じ取って、思い通りになっているはずなのに背中に冷や汗が伝った。

…今更、嫌われる事を恐れているのか？
そんなまさか…。



「…分かった。お前の気持ちは分かった。もういい」
「っ…」



話は終わったとばかりに背を向けて出て行こうとする姿に思わず手を伸ばす。
だが当然引き止める事は許されていないから、伸ばした手はそのまま勢いが落ちてダラリと下がり、親友だったはずの男の背中をただ見つめていると、なんてタイミングでやってくるのか北山が入ってきて目を丸くした。

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