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「大丈夫か?」
「うん、平気だよ」
北山の隣に並ぶとすぐに気遣うように見上げられる。
反対隣の玉も、優しく目を細め頷いた。
ギ…ッ…
「いい写真撮ってもらって、早く病院行こうな」
「もう大丈夫だって」
「いいや、だめだ。何が原因だったのかちゃんと看てもらわないと…」
北山のお小言を聞きながら目線はカメラに向けてクールな表情をきめている。
ギギ…
「……なんだろ」
「どうした?」
「さっきから…変な音する…」
微かに聞こえる程度だったから特に気に留めていなかったけれど、この位置に立ってからやけに気になり出した音に堪らずに疑問を投げかけたけど、誰も気にしている素振りはない。
ギギギ…
「音?別にしないけど…。…やっぱまだ体調…」
ギギ…ッ…
なんだ…、ずっとこんなに音してるのに…、どうして誰も気づかないんだ…?
一体どこから……
一瞬足元がフラついて玉に凭れかかるのを、心配そうに支えられる。
北山が心配そうに俺の顔を覗き込み、何かを言っている。
ギギギ…ギギギギ…ッ
不快な音はどんどん大きくなっていき、すぐ目の前の北山の声がまるで聞こえない。
何だ…、一体何だっていうんだ…。
玉に礼を言って体勢を整えるも、やはり足元がフラつくような感じがする。
踏ん張ってどうにか再びカメラへ視線を向けると、大きく体勢が崩れた。
「わっ…」
今度は俺だけではないようで皆何だ何だとザワザワし始めた。
「地震…?」
どうやら足元全体が揺れているようでジッとして下さいと指示が入る。
ギギギ…ギギ…ッ…ギギギギッ
スタッフさんたちの慌てる物音に混じって、断続的に聞こえる嫌な音。
本当に聞こえないのかと右にいる北山を見た時、北山はハッとした表情で真上を見た。
何だと一緒になって見上げようとすると、焦った北山と一瞬だけ目が合った…ような気がした。
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絢音(プロフ) - 雪さん» 雪さん、こんにちは♪2度目の閲覧にコメントもありがとうございます(^^)本作のような切なめからのハピエン私も好きなので気に入って頂けて嬉しいです♪最近はすっかり書くのお休みしてしまっていますが、連載含めまた機動しますので、今後もよろしくお願いします(^^) (2021年10月29日 9時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 絢音さん、素晴らしいお話をありがとうございました!以前読ませていただいた記憶を辿り検索し、2度目。ハラハラと涙が止まりません 設定が凄くお上手で最後はやっぱり藤北の絆、キスマイの絆!ほっとしました (2021年10月20日 21時) (レス) @page50 id: 64ae229e91 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - lastresortzipsaさん» こんにちは(^^)本作を見つけて下さりとても嬉しいです。他にも色々書いてますので、よかったらまた遊びにいらして下さいね♪ (2021年5月2日 16時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
lastresortzipsa(プロフ) - めちゃくちゃ泣けました!!!嗚呼、もうホントに、素敵な作品をありがとうござます。 (2021年4月30日 15時) (レス) id: 9ca8613eb3 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - 雪さん» 雪さん、初めまして(^^)感想伝えて下さってとても嬉しいです♪本作は構成が難しかったですが、無事にハッピーエンドに創り上げることができ、またたくさんのお声を頂いて書いてよかったなと思えた作品です(^^)よければ他作にも遊びにいらして下さいね♪ (2020年3月8日 18時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年3月30日 3時