限定プリン ページ6
sideKi
藤ヶ谷と喧嘩した。
きっかけは何てことない、藤ヶ谷が楽しみにしていたプリンを俺が食べてしまったから。
普段甘いものはそんなに食べないけど、何となく疲れていて食べたい気分だったのだ。
楽屋の冷蔵庫に無造作に置いてあって、てっきり誰かの差し入れだと思って手を付けたのが始まり。
何でもコンビニ限定品らしく、今日やっと手に入って仕事終わりに食べるのを楽しみにしていたんだとか。
家で食べればいいだろとか、たかだか甘味の一つでガタガタ言うなとか、疲れていたのもありキツめに言ってしまった。
そこからはもうお互いレベルの低い言い合いに発展して引っ込みがつかなくなった。
「……」
「……」
今は完全に機嫌を損ねているらしく、俺の存在を無いものとしているらしい。
「…チッ」
めんどくせー。
思わず出た舌打ちに僅かに反応された気もするが、何か言われる前に楽屋を出た。
向かいのコンビニに行くために。
「……こんな種類あんの?」
自分の食べたパッケージなんて覚えてない。
こんなことで迷うのも馬鹿らしくなり、全種類買い込んで楽屋に戻った。
「っ…」
警戒するように俺を見る藤ヶ谷の目には怒りと戸惑いが見て取れた。
「…ん」
「……何?」
「好きなもん、どれでも選べ」
そう言ってコンビニの袋を押しつけた。
何にも反応を返してくれない藤ヶ谷にプリンごときでそんな怒るのかよと腹立たしくなった。
それと同時に…、ずっと好き好き言われ慣れてるからこうもぞんざいに扱われることに変な不安に襲われて、…目の奥がグッと熱くなった。
帰る…、そう言おうとしたら、あったかい藤ヶ谷の温もりに包まれた。
「……これがいい」
ぎゅうって痛いくらいに抱きしめられて、涙が出た。
「これしかいらない」
「っ…」
「ごめんね、きたやま」
そんな事ないって分かってたけど、もし…もしこのまま藤ヶ谷に嫌われたらって…、ほんの少しだけ想像した。
どうしようもなく、怖かった。
「……ん…俺も、勝手に食べてごめん」
「ふふ、仲直りしよっか」
同じようにぎゅうって抱きつくと、優しく笑う声が耳元で響いた。
「あれ、美味しかった?」
「甘すぎた…、あんま好きじゃなかった」
「…そこは嘘でも美味しかったって言うとこでしょ」
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絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪太輔さんハピバは絶対更新したかったから間に合ってよかったー!ここの2人は平和で私も書いててとても楽しい♪近々ね、北藤短編ちょっと書きたいなぁと思ってるので、どうにか形にして早くお届けしたいなぁ(^^)こちらにもいずれ、また♪ (2021年7月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 絢音さんっ特別な日からを読み終えてニコニコしながらルーティーンな日を開いたら対のお話だーってキャッキャッ(*´з`)しちゃいましたこのふたり可愛すぎてどうしたらいいんでしょう‥ううぅ…きたやまぁー!←可愛い‥スキ‥みったんが大事にしてくれて超うれしい‥ (2021年6月27日 15時) (レス) id: 93fcba9685 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» アボカドフラペチーノ!ほんとにやり取り可愛すぎた…。きたーまさんの立場になれなくてもいいから新人マネのポジションくれと思いましたよね(*゚▽゚*)笑。ここのお話書く時はいつもほのぼのと書けるから好きです!ではこちらもまたいつの日にか…♪ (2021年4月2日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - コンビニ行った時探してみたんですが巡り合えず‥また来冬に販売されるといいなーそしてそしてこのエピほんとにほっこり(≧∇≦)可愛い二人見て笑うちっちゃいひとが甘いの買ってくれるとこも呟きにもキュン♪今日も今日とて一緒に過ごすふたりが愛おしいっ (2021年3月25日 20時) (レス) id: 93fcba9685 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 白い恋人ドリンクもアイスも、あの頃期間限定であったんです〜♪超人気で一回しか堪能できなかったけどめちゃ美味でした(*゚▽゚*)ねー、何でつきあってないの!?って感じですよね〜。ミツお兄ちゃんと弟たいぴ的な空気感、もうちょい味わいたい絢音です♪笑 (2021年3月24日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2020年3月25日 23時