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この部屋に入るのも、随分と久しぶりな気がする。
最後にお邪魔したのはいつだったっけ…
見慣れているはずの部屋なのに全然知らない場所のようにも思えてそわそわと落ち着き無い心地でいると、みっくんは気を利かせてくれたのか紅茶を持ってきてくれた。
「ありがと」
「熱いから気いつけてな」
「ん…」
ゆっくりと口つけると仄かな甘みが身体全体に染み渡ってくる。
自然と口元は笑みがこぼれていたようで、満足そうに眺めているみっくんと目が合った。
「…はい」
「え?…何?」
チョコレートの山を押しつけると、みっくんは不思議そうに首を傾げる。
「これ、先輩のです」
「…は?」
「頼まれたんです、北山先輩に渡してほしいって女の子たちから」
結局自分で大事に抱えてきてしまった預かり物をようやく手渡すことができた。
みっくんは少し複雑そうな顔をしながらも、さんきゅとそれを受け取った。
ツキン…
急に胸が苦しくなって顔を歪める。
何でだろう、別にみっくんがモテるのなんて今に始まったことじゃないのに。
「あー…なんか悪かったな、気まずかったろ?」
「別に…、こんなこと初めてでちょっとびっくりしたけど」
「はは、ごめんなー」
みっくんは俺の頭にポンと手を置いて、わしゃっと軽く混ぜた。
高校一年生から見ると、三年生ってどうしてこうも大人に見えるのだろう。
たった二つしか変わらないというのに。
「バレンタインかー、みんなすげぇな」
「え?」
「いやだって、手作りする子多いじゃん?
俺チョコなんて作れないからすごいなって」
「…ホワイトデーは、手作りの返したりしないんですか?」
「俺にできると思う?」
「…いや」
「んははっ」
みっくんはひとしきり笑った後で大量に入ったチョコの紙袋に目をやって、それから静かに顔を体育座りしている膝に埋めた。
「……先輩?」
「…やめろって、んな呼び方」
「え…」
「学校では分かってるよ、でも家で二人ん時くらい…距離作んなよ」
その声が泣いているような気がして、焦ってみっくんの肩に手を掛けた。
「み…っ…」
「……」
「っ、…みっくん」
顔を上げたみっくんはもちろん泣いてなんかいなかった。
でも笑っているその顔は何だか無理をしているように思えてならなかった。
「……ぁ…」
こんな時、何て言えばいいんだろう。
いつから…いつから俺は、ちゃんとまともに話ができなくなってしまったんだろう。
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ひろ(プロフ) - 絢音さまご返信ありがとうございました^_^ 今は過去の別サイトは紹介されてないのですね。それでは新作がアップされる機会を楽しみにしておりますね(o^^o) またご迷惑でなければコメントもさせてください。お忙しいところ、ご連絡くださりありがとうございましたm(_ _)m (2021年5月12日 21時) (レス) id: 88642e1cbe (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ひろさん» ひろさん、初めまして(^^)いつも作品読んで下さりありがとうございます♪1ページごとにお星様〜、そんな事言ってくれるの初めてです!とっても嬉しいです(^^)実は歴長いですが、過去の作品は別サイトにあり今はご案内していないんです。お気持ちだけ頂戴しますね(^^) (2021年5月12日 21時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 1ページごとにお星様を押すことができたら良いのに。そしたらぜんぶのページでお星さま押します。たびたびのコメント、失礼しました^_^ (2021年4月26日 15時) (レス) id: e1b1489f48 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ - はじめまして。作品いつも楽しみにしています^_^絢音さんの作品の登場人物がみんな優しくて魅力的で、温かい気持ちになるので、とても好きです。他にも作品をお書きになられていらっしゃいますか?可能であれば拝見したいですm(_ _)m (2021年4月26日 14時) (レス) id: e1b1489f48 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» ふふふ、ほんとは怖いままで終わらせようとしてました(小声)たまには思い切りなバッドエンドも書きたいと思いつつ、誰得なんだ?と控えてますw。でも最後の描写少なかったかなー、もう1ページ頑張ってもよかったかなぁーなんて沸々思ってきてます(*゚▽゚*) (2021年4月2日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年11月3日 23時