俺とお前のHUG&WALK

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震えが収まった代わりに熱で顔が赤くなっていて額には汗が滲んでいる。

一度布団から抜け出して水と一緒に冷やしたタオルを用意して額から首筋にかけて拭ってやると気持ちよさそうに目を細めていて、そんな太輔を見ているとさっき怒らせたばかりだというのにやっぱり代わってやりたいという気持ちが拭えない。

逆の立場なら確かに俺だって怒るだろう…、けれどそれはそれだけ大切に思っているからなんだという事も汲んでほしい…。



自分以上に大切だと思える存在がいる事は、きっとそれだけで幸せなんだ。








薬が効き始めているのかウトウトとしている太輔を引き寄せると、何か言いたげに俺を見上げた。

何も心配しなくていいからと頭を撫でると、静かに目を閉じて俺の胸に擦り寄ってきた。

今度は朝まで眠れるといい…。
そして太輔が楽になれるのなら、熱も痛みも全部引き受けるからと強く思いながら、ようやく眠れた太輔に優しく口付けた。



そんな願いも空しく朝…、身体を揺すられハッと目を覚ますと顔色悪くブランケットに包まりながら震えている太輔が泣きそうな目で俺に助けを求めていた。



「大丈夫…マネに話して病院連れてって貰おう？
点滴してもらって…身体痛いところはテーピングしてもらったら楽になれるはずだから」



大丈夫だよと抱きしめ背中を摩りながら片手でスマホを操作しマネに連絡を入れる。
それから一応横尾さんだけには先に状況をLINEで伝えて…、不安がる太輔をマネに預けて俺は会場に向かった。



スタッフさんとメンバー全員に太輔の状況を説明して、とにかく負担を和らげようと事前に話し合っていた変更点でそのまま行う事に決まった。

後から合流した太輔はもうアイドルの顔になっていて、腕はテーピングが施されており顔色も悪くはなかった。
多少歩き辛そうにはしているものの、最後までやり切るからと迷いない目で言い切った。



「頑張ろうな。
でも何かあったら…必ず誰かを頼ってほしい」
「うん」



観客の待ち望む声援が聞こえる中、裏で円陣を組んで光の舞台へと足を踏み入れた──…






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