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太輔の様子を時折視界に入れながらリハは順調に進んでいく。

中盤を過ぎた頃から、明らかに様子のおかしくなった太輔に音楽が中断された。
しゃがみ込んでしまった太輔の側に行くと、悔しそうに唇を噛み締めていて今にも泣きそうな顔をしていた。

医務室に連れられて行く後ろ姿を何とも言えず見つめていると、大丈夫かな…と心配する声が聞こえた。



「…フォローしてやろう、大丈夫…七人もいるんだから、絶対できる」



暫くして、スタッフさんに支えられながら戻ってきた太輔は、ひと言ごめん…と俯いたまま呟いた。

話を聞くと左腕と左脚を痛めているらしく、数日前から体調を崩していて微熱も続いていると申告してきた。

リハは中断され太輔の体調を考慮していくつか演出を変更する打ち合わせに入った。
万一の時の歌割りの変更も行われ、太輔は無言でジッと何かに耐えるようなしんどそうな顔で、そんな様子なのに仕事中だから迂闊に声をかけることもできない自分が悔しくて堪らない。
横尾さんが隣で支えてくれている事に胸を撫で下ろしながら、俺は変更点を少しも聞き逃さないように頭に叩き込みながらメモを取っていた。



変更した演出で太輔の様子を見ながら早速リハが続行され、これならやり切れるという太輔の言葉にこのパターンで行こうと決まった。



全て終え皆が帰り支度をする中、最後にもう一度変更点で気になったところを確認しておこうと楽屋を出ようとした時、太輔に名前を呼ばれた。



「きたやま…」
「ん?」



振り返れば不安そうな表情で俺を見つめていて、言いたい事が分かったような気がして座っている太輔の前にしゃがみ込んだ。
ガヤお大事にねと声を掛けながらメンバーは次々に帰って行き、俺と太輔の二人になった。

太輔の手を安心させるように握ると、うるうるした目を向けられた。



「今日、そっち泊まるから」
「っ…」
「心配すんな、側にいる」
「……きたやまの家…行きたい」
「え?」



てっきり自分の家の方が安心できると思ったから驚くと、俺の家の方が落ち着くと言ってくれた。
顔色が悪くなっている様子に、早く家へ返せばいいのか一緒に帰るべきか悩み選択を委ねた。



「俺ちょっとスタッフさんと話あるんだ。
すぐ終わると思うんだけど、先に帰ってるか?」
「…まってる」
「ん、分かった」



目的のスタッフさんを捕まえて確認したい事を済ませ足早に戻る。
帰ろうと背中に手を当てると、心無しか僅かに震えているようだった。

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絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時

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