俺とお前のHUG&WALK

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「…きたやま」
「っ…ん…？」
「ずっと…一緒に見てくれてありがとね」
「そんなん…当たり前だろ」
「俺…ずっと大変だったけど、毎週きたやまがいっぱい感想を伝えてくれたから…いつだって頑張れたよ」
「太輔…」
「えへへ…」



無邪気に笑う太輔に、あぁ…あの双子はこんな風に笑えた事があったんだろうかと酷くやりきれない思いに支配された。



勇吾にも、こんな幸せを味わわせてあげたかった。

圭吾にも、無条件に心を許せる相手に出会わせてあげたかった。



「…きたやま？」



でも、所詮俺にはあの双子を幸せにすることなんてできない。





俺が唯一、この手で幸せにできるのは……






「太輔」
「んー？」
「幸せにする」
「…？」



キョトンと首を傾げる太輔に、もう一度伝わるように繰り返した。
するとゆっくりと目が見開いて、ふんわりと柔らかな笑みが溢れた。



「俺も…きたやまを幸せにするよ」
「もう十分過ぎるくらい幸せだけどな」
「ふふ…。…これからも、ずっと…ずーっと…、幸せにする。……だから…、ずっと側にいてね？」
「俺なんかでいいのか？お前ならもっと…」
「ばか、…おこるよ？」



ほんの照れ隠しから思ってもみない事を言ってみた。
そんな俺の戯言にキッと鋭い目つきになったのも一瞬で、すぐに不安そうな目になったものだから慌てて嘘だよと宥めた。



「ごめん、意地悪言った」
「もぉ…。……俺にはずっと、きたやまだけだよ」



もう絶対に離さないんだからねと拗ねながら抱きついてくる太輔を受け止めて背中を撫でながら、俺は言葉に表せない多幸感に包まれていた。








もういやだって、今更言っても離してやれないよ。

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