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「…で?何をそんなにむくれてるんですかね?」
今日は会うつもりは無かったけど、居ても立っても居られなかった俺は半ばおしかける形で北山の家にお邪魔して、無言で膝の上に乗り上げて頬を膨らませていた。
北山はそんな俺に苦笑しながら腰に手を回してきた。
「……」
「太輔?」
「……」
「…たーいちゃん?」
「っ…」
甘やかすような呼び方に、拗ねたように作っていた顔が崩れた。
お、照れたなっと北山は楽しそうに笑って、それから優しい目で俺を見つめどうしたのと促してくれる。
「……なんで」
「んー?」
「…なんであんなにかっこいいのっ?」
「へっ?」
「もぉぉっ!」
「わっ、ちょ、痛い痛いっ」
言葉にするのがもどかしくてポカポカと北山の胸を叩いた。
分かってよと理不尽に訴える俺を北山はグッと力を込めて抱きしめてくれた。
力強い抱擁に少しずつ気持ちが鎮まっていくと、ちょうどいいタイミングで北山が耳元で優しく囁いた。
「何?LIVE中俺に見惚れた?」
「…っ」
「もう……仕事はなんだってそうだけど、LIVE中なんかは特にお客さんの事だけを考えろって言ってるでしょ?」
「う……だ、だって…」
「…そんなにかっこよかったんだ?俺」
少し間を空けて小さくコクンと頷くと、んふふって笑って頭を撫でてくれた。
「まぁ…俺も大概…、人の事は言えないけどな」
「え…?」
「ん?…んふ、何でもねーよ」
少し身体を離して、至近距離で北山を見つめる。
穏やかな目で俺を見つめながら、ん?と首を傾げる。
「…今日は、ぎゅーして寝て」
「え?ん、そりゃもちろん」
「ちゅーもいっぱいしてくれないとやだ」
「んふふ…、はぁい」
LIVEは楽しい。
ファンの皆さんと同じ時間を共有できる事は何よりも嬉しい。
仕事の時はみんなの北山。
そんな事は重々承知している。
だけど、底知れない魅力を持ち合わせているこの人を恋人にした時から、俺は少し…ほんの少しだけ、ファンの皆さんに妬きもちを抱いてしまうよ。
許されるなら俺だって、一度でいいからみんなと一緒に北山の事見てキャーキャー言ってみたいな…。
そんなバカなことを考えていると気づかれないようにぎゅーっと加減をせずにしがみ付くと、ぐぇっと潰れたような声がした。
アイドルの時間を終えれば、俺だけのきたやまだもん
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絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時