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「みつもさ、太輔の事…大切で仕方ないんだよ。
大事な大事な太輔に、こんな隈作らせたのが自分だって事…許せなかったんじゃないかな」
「でも…っ…そんなのはひどい…!」
わたに話を聞いてもらって、わたの考えを聞いて…、今朝冷たくされた理由が俺に嫌悪を抱いたからじゃない事が少しずつ分かってきて、でもその代わりに…また別の感情が襲いかかる。
「それじゃあっ……俺が…俺がきたやまを大切に想うきもちは……どこにいったらいいの…?」
俺ばかりが大切にされるのなんてやだ。
同じように大切にしたいんだって、こないだもちゃんと伝えて分かってくれたと思っていたのに…
「…よし分かった、じゃあ今夜二人でみつの家に行こうか」
「わた…っ」
ありがとうっと抱きつくと、わたは少し元気になった俺を見て嬉しそうに笑って、ヨシヨシって優しく抱きしめてくれた。
夜、わたと一緒に北山のマンションにやってきた。
エントランスからインターフォンを押すのなんて久しぶり…。
俺はカメラの死角からわたと北山の電話越しの会話を聞いていた。
「開けてよ、渉特製スープとおかゆ作ってあげるから」
『…いや、俺まだ食えないから……』
「さすがに二日何も食べないのはマズイよ。
どんどん治り遅くなるよ?いいの?」
『……どうぞ。鍵も開けておくから勝手に入ってきて…』
扉が開き、ガチャっと通話が切れた。
「…さすがに鍵開けておくのは不用心すぎない?」
「う…、ちゃんと言っておきます」
そうは言ったものの、きっともう一度立ち上がるのがしんどいんだろうなと思った。
部屋の前に辿り着き、簡単に開いたドアに苦笑する。
わたが入りますよーと声をかけ後に続いて中に入った。
リビングに入ると想像通り、ソファーで横向きになってぐったりしている北山がいた。
「みつ、大丈夫?」
「んー…ちょいやばめ…?」
「あらら、顔色も良くないね…」
ぐったりと目を閉じたまま話す北山に、心配の方が上回り怒られてもいいからと駆け寄りたくて一歩踏み出そうとした時、続いた言葉に俺のことをこれから話そうとしている事に気づいて足が止まる。
「……今朝さ、俺…泣かせちゃった……」
わたがチラッと俺を振り返り、そこにいてと頷かれたから静かに様子を見守る事にした。
そして話を聞いているうちにどんどん涙が溢れて行き堪らずに駆け寄って…弱っている大切な存在をぎゅっと優しく抱きしめた。
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絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時