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「北山は…?」
「あー…だいぶ戻しちゃってるみたいだから水買って持っていこうと思って」
「っ、俺が行く!」
「そう?…うん、そうだね。
きたみつもきっとガヤさんの方が素直に頼れそうだよね」
お願いできるかなと綺麗なタオルを渡された。
自販機で水を買ってから角にあるトイレに向かうと、奥の個室から苦しそうな声が聞こえてきた。
コン…と軽くドアをノックして外から声を掛けた。
「きたやま…?ドアちょっと開けられる?」
返事は無かったけど、開けてくれるまで根気強く待っていると、数分して静かにドアが開いた。
項垂れて蹲っている状態に心臓がギューっと締め付けられるような痛みが襲いかかり、その場にしゃがんで忙しなく上下している背中を優しく摩った。
「どう…まだ落ち着かない感じ?」
「も…平気…っ…でも、立てね…」
「俺が連れて行くから心配しないで。口…濯ごうか」
ペッドボトルを渡してあげて口の中を濯いだのを見届けて、北山が肩に手を置いて体重をかけてきたのを確認してから立ち上がる。
「大丈夫…?」
「おー…」
「途中でまた気分悪くなったら言ってよ?」
「ん…」
しっかりと背負って楽屋に戻ると、皆心配そうな目を向けてきた。
ソファーにそっと寝かせるとメンバー全員が囲むような形になって北山は苦笑した。
「もう平気…出すもん出したらすっきりしたから…」
「ほんとーに、平気なのっ?」
「おぅ…」
みんなで心配するくらい北山の顔色は悪かったが、さすが仕事の鬼と評されるだけあって一度スイッチが入ってしまえば最後まで完璧にやりきっていた。
帰り支度をしている時なんかももう大丈夫そうな印象に見えてメンバーも安心して帰って行った。
北山は平気な顔してじゃあなと俺に言ったけど、それではいそうですかと帰ると思われているんだろうか。
無理やり家に着いて行くと、北山の顔が徐々に崩れ始める。
大変なのは、ここからだった。
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絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時