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「…へいきだよ。
ね、お水もっとほしいな…」
「ん、持ってくる」
遠ざかる背中を見送って布団に潜りこむ。
北山にたくさん愛された身体は、心地良い疲労を感じながらもすごく軽くなっていた。
袖をきゅっと握りしめて胸の前に持ってきて身体を丸める。
こうすると何だか安心する…
もう、数え切れないほどに愛されているというのに、北山のかっこよさにはいつまでも慣れる事を知らない。
最中はいつも貪欲に求めるくせに、我に返ると目を背けたくなるほどの羞恥心に襲われて、とても冷静でいられなくて…。
「たいー…、…あれ、寝ちゃったか…」
コップがサイドテーブルに置かれる音がして、ベッドがギシッと揺れた。
顔を覗き込まれる気配がして思わず目を閉じる。
やがてフ…と静かな笑みが聞こえて、髪を丁寧に撫でられる。
額に感じた温もりは一瞬で離れてしまったけど、とても優しくて温かくて…。
隣にもぞもぞと入ってきて、それから静かな時が流れる。
「ん…ぅ…」
「…ふふ」
寝たふりをしながら距離を詰めて密着すると、すごく優しく笑って抱き寄せてくれる。
「太輔…」
起こさないように囁いて、頬に手が触れ撫でられる。
大切にされているって…すごく伝わってくる。
どんな顔をしているのか気になって、目が覚めた風に睫毛を震わせてからゆっくりと目を開ける。
「……ぁ…」
「起こしちゃったか、ごめんな」
見つめたまま喋れなくなった俺に、ん?と僅かに首を傾げ微笑む。
「水持ってきたけど、飲むか?」
「…ん、……後で」
「そう?」
「今は……ひろみつがいい」
何度求めても、もういいやって満足できない。
好きで好きで仕方なくて…もっともっとと求めてしまうよ。
唇をそっと指でなぞると、北山はフ…っと口角を上げて再び覆い被さってきた。
いつかちゃんと…宏光って呼ぶから、もう少しだけ待ってね。
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絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時