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ブルル……。


頬に振動を感じた瞬間、

はっと気づいて上げる。



「あっ」



思わず絶叫を上げた。

もしかして私……眠っていたんじゃ……?

耳に届いた音は、机の上のスマホだ。



「電話?」



すぐさまスマホを手に取った。



「もしもし楓」

楓「あ、A?さっきAに電話したんだけどさ。繋がらんかったし、希ちゃんにメールして今、図書館へ向かってるところ」

「え?本当?」


電話を切ると、

わたしはカバンを抱え、

急いで教室を飛び出した。





「……は、……はっ」




少しでも早くと、

図書館へと駆けていく。

けれど、今日は久しぶりのメガネに

視界が慣れきっていなかった。




昇降口を出てから校庭を突っ走り、

もうすぐ校門を抜けるというところで

小石につまずいてしまった。



「痛っ」


転んだ瞬間、膝を擦りむいたのか、

ひりひりと痛む。


「あ、メガネがっ」


しかもその拍子に大事なメガネを

落したみたい。


「誰か、メガネを……」


もともと裸眼だと、

ほとんど何も見えないに等しい視力だった。

すぐ近くのものすらよく見えない。


「どこに……」


地面に這いつくばるようにして、

落ちたメガネを必死で探した。




どうしよう、どうしよう。




焦りと視界の不安とで、

頭の中が真っ白になっていると、

低くて柔らかい声が耳をかすめた。




?「もしかして、このメガネは君の?」


それはまるで、目の前を風が吹き抜けたみたいな

出来事だった。


「それ、私のメガネです。」


ぼんやりとしか見えないけれど、

偶然通りがかった男子生徒が拾ってくれたらしい。


「……ありがとうございました」


ぺこりと頭を下げたまま声の主に

向かって手を伸ばすと、

彼は拾ったメガネを私の手のひらへ、

そっと置いてくれた。




?「もっと気をつけた方がいい。危ないから」

「あ、はい。……すみません」


印象的な低い声に、

つい聞き惚れながらメガネを受け取った時だった。


?「……見えてる」

「え?」

?「……下着、見えてるから」

「えっ?」


一瞬、時が止まった……気がした。


「うそっ!!」


スカートがめくれあがってパンツが

丸見えの状態になっている。

今朝、ギリギリまでコンタクトを探していたせいで

ミニスパッツを履くのを忘れていたのを

思い出した。




「いやっ!!」


メガネをかけることすら忘れた私は、

視界があやふやな中で、パニック状態。

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設定タグ:GENERATIONS , 白濱亜嵐 , 片寄涼太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ゆーか | 作成日時:2018年1月16日 21時

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