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涼「せめて、誰かひとり、責任者決めて、衣装係に専念してくれないと」


夏「そっか……そうだよね……」

と、思案顔になった夏恋が、

ぱっとうれしそうに私を見た。

夏「A!一緒に衣装係やろうよ!」


あまりに予想外の展開に、私は呆然としてしまう。

わたしが、衣装係を?どうして?





夏「だってAは部活やってないから、時間あるでしょ?Aがリーダーになって細かい仕切りをやってくれたら、わたしたちAの言う通りになんでもやるから!ね!お願い!」




『あ、それいい!』

『Aは適任だよねー!』


他の子たちまで夏恋の意見にのっかって、


クラス中が盛り上がった。


「ちょ、ちょっと待って、そんなの無理!わたしがリーダーなんて、ありえないから」


でも、夏恋は強引だった。



夏「なんでなんで?Aは家庭科得意だし、絶対向いてるって。ねぇ、団長!団長もそう思うよね〜!」



「そんなことないって。わたし絶対無理だから!」


私は必死で否定した。


リーダーなんて、本当に困る。


涼「確かにこのメンバーだけじゃな……」


そうつぶやいた涼太くんが、わたしをじっと見て続けた。


涼「Aにいてほしいな……」



一瞬だったけれど、その強い視線が

私を射抜いて動けなくなった。



『なに、その言い方!』

『うちらだけじゃ、不満なわけ?』


冗談まじりにみんなが話す声に、我に返る。


涼「だって、お前らだけじゃ正直不安だよ」


夏「でしょ?でしょ?心配だよね。正直、わたしも心配すぎるー!」


と笑いながら言った。


みんながウケて盛り上がり、

流れはますますわたしがやることに向かっていた。









涼「じゃあ、A、ここは俺からも頼む!Aのセンスが必要!衣装係のリーダーやってくれ!」

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作者名:ゆーか | 作成日時:2017年10月16日 19時

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