27 ページ28
涼「じゃあ、A、ここは俺からも頼む!Aのセンスが必要!衣装係のリーダーやってくれ!」
私にむかって涼太くんが手を合わせた。
夏恋も甘えた声をはりあげる。
夏「A、お願い!」
クラスの人気者、涼太くんと夏恋にお願いされ、
みんなに注目されてしまい、わたしはもはや
うなずくことしかできなくなった。
みんなが拍手してくれたけれど、
わたしはみんなが厄介ごとを
片付けて喜んでいるだけとしかおもえなくて、
なんだか泣きそうだった。
涼「おまえら絶対Aだけに押し付けるなよ!一人でやるのは無理なんだから。ちゃんとやれよ!」
心細そうなわたしをみかねたのか、
涼太くんが、そう言って念を押してくれた。
でも、わたしはこれからのことを思うと
不安しかなかった。
その日の放課後、さっそく衣装係の説明会に出席した。
チア部の練習がある夏恋たちは来られなくて
わたしひとりで出席し、メモを取る。
体育祭までにやらなくてはいけないこと
だいたいのタイムスケジュールが書かれたプリントを
渡されて、想像以上の仕事の多さに思わず
頭がクラクラした。
この作業をほとんどわたしひとりでやることになるんだろう。
夏恋たちに作業を割り振るとしても、その準備
だってそれなりに手がかかる。
結局、わたしはいつもこんな役回。
たいして、評価されない、
地味な係をおしつけられて、
断れなくて、
いつも貧乏くじを引いている気がする。
594人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆーか | 作成日時:2017年10月16日 19時