片寄涼太 Stellar…涙 (ページ23)

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涼「はい、Aちゃん！」

「……呼び捨てでいいから」

そんなわたしにクックックッと笑うと、

片寄涼太はひとりで教室に入っていった。

わたしは思わずはーっとため息をついた。

今までに感じたことのない高揚感で心が

暴れているようだった。

もう、教室の中で数人の友達と楽しげに

笑い合っている片寄涼太だけが、くっきりとした

輪郭を持って見える。

「……涼太くん……」

口の中だけで、そっとつぶやいてみた。

まだなじんでいなくて、少し恥ずかしい。

片寄涼太って、いい子だとは思うけど、

あんまり近づくと振り回されそうだなって思った。