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…
『…どうしたの？走ってきたの、？』
「そんなのどうでもいいよ、何を辞めるのか聞いてるんだけど」
苛立ってる？練習室に戻ろうにも、戻る道の先にジェミンがいるから戻れないし、なにより逃がしてはくれなさそうな雰囲気だ。
あーもう、なんで声に出したんだろう。
心の中で思ってるだけじゃ決心がつかない気がしたんだけど、聞かれるとは。
いつまでも口を開かない私を見るジェミン。
なんていうか、
『こういうときは、ちゃんと目を見てくれるんだね』
「……え？」
『なんだかジェミンと正面から話すのは、はじめてかも』
「…ごめん、」
『いや、ちがくて 謝って欲しいんじゃないの。
わたしだって急に女の子が自分の仲いい輪に入ってきたら戸惑うと思うし、』
「あー、ちがう、ちがうから。そういうのじゃない」
座ろう、と私の手首を掴んで自販機近くの椅子に腰掛けたジェミン。隣に座ると、掴まれていた手首は離された。
沈黙がなんとも言えなくて、めんどくさいことを言ってしまった自分を後悔する。
「……Aのこと、公開練習生になる前に見たことあって」
『…そうなの？』
「うん。それで顔覚えてたからちょっと驚いてただけ。ごめん、素っ気なくて」
『わたしこそ…なんか勝手に先走っちゃってごめんね、』
避けられてるわけじゃなかったみたいで安心した。
となると、次は私が質問に答える番だよね…。
でもこのデビュー計画のことは言えないし、どうしよう。
「……無理に聞くのは良くないってわかってる、から。
さっきの話のことはもう聞かない。でも一つだけ言わせて欲しくて」
『…うん』
「練習生、辞めたりしないで。
Aはすごく輝くアイドルになると思うから」
ね、と笑ったジェミンは綺麗だった。
きっと私に向けての笑顔はこれがはじめて。
変に顔が熱くなって、なんとなく目をそらす。
きっとさっきの「辞めなきゃ」の意味はもうバレてるけど、それでも聞き出さないジェミンが今はありがたかった。
『……ありがとう』
「うん。戻ろっか」
『遅くなっちゃった』
「Aの水選びが長くて、でいいよ」
『ふふ、なにそれ。絶対怪しまれる』
辞めなきゃいけないのに、また辞めたくない理由ができる。
ここで得た大事な人たちを傷つけるのはわたしなのに。
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せる(プロフ) - なのこ5546さん» 応援コメント本当に嬉しくて励みです、ありがとうございます！^^ ジェミンとはどうなることやら、、、♡ (2月28日 0時) (
レス) id: d551e89fe1 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - ジェミン推しなのでここでの急接近？嬉しいです🫶更新は大変だと思いますが頑張ってください！これからも楽しみにしています💕 (2月26日 8時) (レス) @page46 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せる
| 作成日時：2023年9月24日 1時
