君だけを想ってる OS (ページ10)

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「翔くん？」

夢中になって選んでいると聞き慣れた声がして振り返る

「えっ？さ、智くん？」

びっくりしてキーホルダーを手にしたまま固まってしまった

「何で翔くんがここにいるの？」

智くんも驚いた様子で僕を見ている

「え、あの」

「１人…じゃないよね。誰かと？」

「えっと、友達と来てる。智くんは？」

「あー大野いたいた。急にどっか行くなよ」

「あ、ごめん岡田」

ふいに目の前に現れたのは、僕が初めて見る人で

「てか、その可愛い子、誰？」

『岡田』という人が、僕を指差しながら智くんに聞く

「俺の弟」

「えっ、大野の弟？マジ？女の子かと思った」

そう言って、至近距離まで近づいて僕の顔をマジマジと見るからちょっと後退りする

「名前は何ていうの？何年生？」

「えっ、あの」

「あのさあ、怖がってるから」

智くんが僕を庇うように間に入ってくれる

僕は隙間から顔を出して

「…翔です。小6です」

「そっかぁ、俺は岡田准一。中学で大野と同じクラス。よろしくね」

「あっ、はい」

「なるほどなー。こんな可愛い弟が一人でいたら心配で放っとけないよなあ。さっきの大野、急にいなくなるし」

「弟の心配するのは当たり前だから」

「はいはい」

何だかんだ仲良さそうな二人に僕はクスっとなった