君だけを想ってる OS (ページ2)

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小学３年になった頃
僕はよく手紙を貰うようになった

それは『ラブレター』というもので
全てお姉ちゃんと智くんへ宛てたもの

本人に直接渡すのが恥ずかしいらしく
いつも僕が代わりに受け取っていた

友達にはよく「あんなお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて羨ましい」と言われた

「はい、これ」

「え～また？」

家に帰って手紙を渡すとお姉ちゃんはいつもそう言った

そして、中身も見ずにピリピリと破りゴミ箱にポイッ

その後は何事もなかったかのように傍にある雑誌を読み始める

普段は優しいお姉ちゃんが、この時だけは不機嫌になった

智くんもラブレターには全く興味がない感じ

渡しても「ふーん、後で読む」って言うだけ

そしてその後は決まって

「翔くん、遊びに行こっか」

そう言ってよく僕を外に連れ出してくれた

行く場所はだいたい決まっていて

自転車で２人乗りをして近くの川でおたまじゃくしをとったりした

たまにザリガニがいたりなんかすると、びっくりして智くんの背中に隠れる

「やだ…こわい」

「翔くん、大丈夫だから」

そう言われて恐る恐るザリガニの背中をツンツンと突付くと、変な感触がしてすぐに指を引っ込めた

そんな僕を見て智くんは｢しょうがないなぁ｣って笑う

帰りはよくコンビニに寄った

智くんはいつも決まって僕にお菓子を買ってくれる

嬉しくて自転車の後ろから智くんに抱きつくと

後ろを振り返る智くんが僕に優しく微笑んだ