交差する世界＿＿原作軸 其の二【文豪ストレイドッグス】【呪術廻戦】

四十九話＿友に逢いに＿ ページ8

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時の流れは早いね。



ニコライ君襲撃事件から数日経ち。現在治失踪中。


私は「太宰さんが行方不明に……！！」と慌てて社に駆け込んだ敦君を見て、ぼんやりと「じゃあ中原君帰って来るのかぁ…楽しみ〜」とかそんな事を考えていた。


二度目はなくってよ……うん、やっぱり見に行かねば。
謎の使命感と共に私は腰を上げ、谷崎君の横に並んだ。


「谷崎君、私が拾いに行くからいいよ。治の居場所はこの中だと私が一番よく分かってるし」

「確かに……じゃあ、お願いしてもいいですか？」

「うん、任せなさい」


軽く言葉を交わして扉を開ける。

　
乱歩君の何とも云えない、じとーっとした目線から逃れる様にそそくさと外に出た。

途中で与謝野さんとすれ違ったので挨拶しておいたが…この後彼女の餌食になる敦君にそっと(心の中で)合掌しておいた。






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中原君元気かな。



青く澄み渡る空を眺めつつ、昔の彼の姿を古い記憶から掘り起こす。

彼の瞳も、こんな風に綺麗な蒼色だったな。ま、悟もそうなんだけど。


身長は伸びただろうか。否、百六十まで伸びたのは知ってるけれど。

当時は治に散々身長で揶揄われていたが、実際はそこまでの差は無かった。
あの時の治は安吾よりも背は低かったし……。


……いや、それでも十糎(センチ)あったな、身長差。

今二十糎も離れてるから差が少ない様に見えただけで…。


これ以上考えたら中原君の尊厳に関わってくる気がしてきたので止めておく。

彼は背丈がどうであれ強い事に間違いは無いし。



さて、昔を懐かしんでいたら近づいてきました、ポトマビル。うーん、黒服が大量。

しかし私には関係無い。何故なら瞬間移動があるのだから。

本当便利だな無下限呪術。こっちの世界で使った回数二桁超えたんじゃないか。



気を取り直して、治の気配を探り中て……あ、いた。自分で云うのアレだけど見つけるの早。

早速発動する。私の気配は最小限まで殺し、治のいる柱からもう二つ程離れた柱に凭れる。

勿論、入口からは見えない面に。


　
作詞作曲：治の心中の歌(？)をBGMに、虚空を見つめる。まぁ簡単に云えば暇なのだ。

そしてこの拘置所にはいい思い出などある筈が無いので、居心地も良くはない。

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