彼氏に浮気がバレました【文スト】

悪くない ページ2

私の交際相手の太宰治は顔立ちの良さとおちゃらけた性格のせいか私以外の女の子にモテやすい。



『私彼女なんだけど』



今日も彼女よりこのイケメン好きを優先させるんでしょ？


可愛い子が好きだもんね。



何が「ええ〜太宰治って言うんですか〜？素敵な名前！」だよ…。



私の方が前から知ってたのに。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿






デートは現地解散。若しかして別の女の子との予定？



幸せじゃない電車。虚しい電車。




嗚呼、瞼が落ちていく。









「あの…、すみません」




誰かに声を掛けられ塞がっていた瞼を無理矢理開ける。




「寝過ごしてませんかね…？気持ち良さそうに寝てたので起こせなくてここまで来ちゃいましたけど…」



誰かの肩に頭を置く私。そして此処は何処だ…。




…ん？頭を置く私……？




『あ……すみません…頭』



「相当お疲れだったんですね、グッスリでしたよ」



ふふふ、と口を三日月型にしながら呟く男の人。




『もしかして私のせいで…』



「いやいや！！僕も寝てたので…


あ、僕中島敦って言います、宜しく御願いします！」




それが彼との出会いだった。

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