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「ごめんな、急に」
「んーん、全然ええで。…大事な話？」
今までも急用だとかいって、優太の仕事を手伝わされたりしたこともあるが、今回はそんな雰囲気では無い。
うん。と頷いた優太は、それでもすぐに話そうとはしない。
何度も口を開いては閉じて、手を握ったり、…目泳いでるし。
こういう時は、言ってくれるまでゆっくり待つ。
それに限る。
しばらくして、"よし"と呟いたので俺も身構えた。
「単刀直入に言うな」
「おん、回りくどいのきらいや」
「廉の水揚げ、平野さんに頼もうと思う」
脳がフリーズした。
…みずあげってなんやっけ。
俺が知ってるみずあげは水揚げでしかない。
平野さんって紫耀さん？
そもそも俺が水揚げすんの？
「ちょ、俺男やで？」
慌てて、そう言う。
「わかってるよ。でも、そういう決まりなんだ。それに、清花さんもそういうの込みでお前のこと修行してたろ？そんなに甘い世界じゃないんだよ」
「……」
「男でも、ここで働くからにはそうしてもらわないと駄目なんだ」
優太の言っていることは正しい。
清花さん…姐さんは訳ありでここに転がり込んできた俺を1番の花魁にするために自分の近くに置いた。
ここにいる以上、いつかはそうしないといけないし、それなりに覚悟を決めて働いていたはずなのに。
いざ、自分の身に起こると思うと戸惑いが隠せない。
「だから、せめて廉の大切な人がいいだろ？」
優太は優しい。
今も、心配そうに眉を下げている。
「…わかった。でも、それ紫耀さんに言うのはちょっと待って」
「ん？」
「俺、紫耀さんにほんまのこと全部言うから。性別も過去のことも。だからちょっとだけ待って？それで、紫耀さんが離れていったら、相手は誰でもええから」
「…わかった」
こうなった以上、洗いざらい話さなくては。
いずれは言わなくてはいけなかったことだ。
『だから、しょおじゃなくてしょうなんだってば』
少しハスキーな声が脳内で再生される。
…ほんまは紫耀さんってちゃんと言えるけどな。にこにこしながら指摘されるのすら嬉しくて、つい呼んでしまう。なんてあさましいんだろう。
「あんまり思い詰めんなよ」
ごめんな、ありがとう
そう小さく呟いて俺の肩を叩いて出ていった優太が後悔しないように。
＿＿＿＿俺も後悔しないように。
＊清花=きよはな
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名無し(プロフ) - 音奈 きらりさん» コメントありがとうございます。幸せな2人もちゃんと書いていきますね！笑 (2020年6月17日 20時) (
レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。幸せに暮らす2人も見たいです〜♪ (2020年6月17日 17時) (レス) id: ba403501a5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いむさん» 看板息子、いいですね！笑 しょうれんはきっと幸せに暮らしてます笑 続編もぜひお楽しみください (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - なーさん» 読んでくださってありがとうございます！番外編のアイデア思い浮かびすぎてやばいです笑 番外編に関しては、皆さんからお話のリクエスト等も、もしあったら書こうかなと思ってるので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
いむ - しょうれん最高でした！二人がどんなふうに暮らしてるのかな〜、など、沢山妄想しています。笑笑 続編も楽しみです！きっと廉くんなら看板息子…？になりますよね！ (2020年6月17日 11時) (レス) id: 220416b2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2020年5月3日 19時
