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「二口はー、大丈夫だろ。成績も悪くないし、内申もそれなりにある。校内推薦だし、ヘマしなきゃいける」
「あー、はい」
俺の目指す大学は地元の大学。
バレーのサークルがあることを知っていたし、推薦でいけるようだったから、無難に決めた。
「今まで通りやってりゃあ問題ない」
「うーっす」
頑張れよ、と肩を叩かれる。
担任は職員室に消え、俺はその場を後にした。
緩いな、なんて考えながら教室へと足を進める。
俺が悩んでるのは、俺の進路のことなんかじゃない。
ましてや勉強なんて、苦労していない。
放課後だって遊び呆けてるくらい。
そういう、自分の事じゃなくて俺は────
「二口ィ、Aどこ?」
「あー?教室。てか、滑津。お前さ、Aの進路知らね?」
「…はあ?Aの彼氏様の方が普通そういうの知ってるでしょーよ」
「知ってたら聞かねえよブス」
滑津が勢いよく俺に何かを言おうと息を吸った瞬間に、後ろからトントン、と肩を叩かれる。
「マイエンジェルにブスって言ったのだーれだ」
そこには、満面の笑みを浮かべたA。
「Aー!二口が虐めてくる!」
「堅治くん、今日のデート無しね」
「は?無理」
コイツには敵わない。
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作者名:カナ子 | 作成日時:2019年4月22日 23時