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その日は他にも簡単な回復魔法、補助魔法を教えた。
ソーン君の飲み込みは素晴らしく早く、こちらが驚くほどだった。
『ソーン君は凄いですね、もうこんなにも魔法も使える様に成りましたよ!』
「Aさんが教えて下さったからですよ!」
そうこうしている内に、庭の扉を開く音がした。
「Aさん、ここに居たんですね。探しましたよ」
ソーンも居るのか、とアダムさんは言った。
「兄様!Aさんに魔法を教えて貰っていたんです」
「Aさんに…?良かったな」
私と二人で話していた時よりもアダムさんに笑顔が多い気がする、例えアダムさんでもやはり弟という物は可愛いんだろうなぁ。
「だがもう夜も更けるぞ?そろそろ部屋に戻って休め」
「はい、兄様!」
「あ、Aさん!」
『はい?どうしました?』
「もし良かったら明日もここで魔法教えてくれませんか…?」
そう言ったソーン君の顔は本当に早くアダムさんの様にもなりたいんだな、と感じさせるには十分な表情だった。
『…勿論です!明日も頑張りましょう』
「本当ですか!よろしくお願いします!」
それではお休みなさい、と去っていったソーン君。
『アダムさん、お待たせしてすみません…』
『私達も部屋に戻りましょうか?』
「……あ、はい、Aさんもお疲れでしょうし戻りましょう」
こっちです、と案内して下さるアダムさんの後を付いていく。
しかしどこかアダムさんは上の空に見えた。
______
____
「あの、Aさん…」
部屋に戻り、扉を閉めるやいなやアダムさんに声を掛けられた。
『はい?どうされました?』
「その、ソーンに魔法を教えて下さってありがとうございます」
『いえ、私も楽しいですし!全然大丈夫ですよ!』
やはり、ちゃんとお兄さんだな、と実感。
「俺もソーンにちゃんと剣術を教えたいんですけど時間の都合が合わなくて…だからAさんがソーンに教えて下さって助かります」
「それと…ソーン、だけじゃなくて…」
「俺、にもAさんの事…教えてくれませんか?」
これは驚いた。
私てっきりアダムさんは国のため、イデア様の為に結婚したんだと思っていた。
なのに私という一個人に興味を持って下さっている。
しかもあろう事か自分の弟に嫉妬という形で。
意外と可愛いところもあるんだな…
『ふふっ、喜んで!』
形から入る恋もありかもしれない。
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塩ビパイプ(プロフ) - チビ猫さん» わぁぁありがとうございます!!!塩飴用意しておきますね!!!頑張らせていただきます、よろしくお願いします!!! (2017年11月22日 21時) (レス) id: 6e35826904 (このIDを非表示/違反報告)
チビ猫 - アダムの話で目から塩水が出て来ました…!作者様更新頑張ってください! (2017年11月22日 19時) (レス) id: 23dfa612b9 (このIDを非表示/違反報告)
塩ビパイプ(プロフ) - 玲さん» リクエストありがとうございます(*´ч ` *)アダムの続き…了解です!腕によりをかけて書かせて頂きます…! (2017年11月13日 22時) (レス) id: 6e35826904 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - とっても面白いです!いきなりですがアダムのお話の続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます!(○p>ω<)尸" フレーフレー☆ (2017年11月13日 21時) (レス) id: 58003ec546 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩ビパイプ | 作成日時:2017年11月4日 15時