01 ページ2
意識が浮上して、ふるりと目を開いた。
スグに映ったのは白、白、白。
起き上がってみてもそれは変わらなくて、視界に映るのは真っ白な壁、床、ベッド、棚、ひたすら真っ白で静かな部屋。
｢……？｣
そういえば何で私こんな部屋に寝てるんだろう？と思ってひたりと足を床に付けて立ち上がる。
ぺたぺたと足を、くるくると目を動かして部屋を見回しても此処が何処かは分からなかった。
……というか、私は自分の名前が分からない。
思い出せない。
なんだかとても怖くなって、サッと血の気が引いて。
足の力が抜けて座り込む。
｢……っ、ぁ｣
聞こえるのは、私の震えた小さな声だけ。
不安で気がおかしくなりそうになった所で、ガチャり。
先程は動かしても開かなかったドアが開いた。
そちらに目を向ければ、そこに居るのはちょっと驚いた様子の男の人。この人も、真っ白だ。
｢あれ？起きたみたいだね、おはよう｣
｢…お、はよう…？｣
思わず挨拶を返してしまったけど、この人は誰？
私は、誰？
｢混乱してるみたいだから説明しようかな。
ほらほら、そんな所座ってたら風邪ひくよ？…っと｣
｢っ！？｣
手を伸ばしてきたと思ったら、片腕で私の体を抱き上げてしまった。そんな男の人にあたふたしてると、元いたベッドに戻される。
｢あの、｣
｢うん？｣
｢私の名前、は…？その、分からなくて…｣
｢ああうん、そこからだね。君の名前は悠｣
｢悠……？｣
うん、ちなみに僕は白蘭だよ！気軽に呼んでねと笑った男の人。白が似合うな、と思いながらも聞いてみる。
｢此処は何処ですか？｣
｢んー、此処はミルフィオーレって言う僕の基地。ああ、家かな｣
｢白蘭さんの家？｣
｢白蘭で良いよ。というかそう呼んで。…えーと、まずマフィアについて説明しようかな｣
マフィア？と聞き返せば色々な事を教えてくれた。
裏の世界でミルフィオーレが世界を守ろうとしてるのに、ボンゴレというマフィア達が邪魔をするのだそうだ。
そして私は、その戦闘に巻き込まれて頭を酷く打ち、１ヶ月も眠っていたそうだ。
頭を酷く打ってるから、もしかしたら記憶にも支障があるかもしれないと言われた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍璃 | 作成日時：2022年7月15日 11時
