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もう終電ないぜ ページ21

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『ん…』


いつの間にか眠りについてしまった私は、見慣れない部屋でぼーっとする頭を押さえながら目を覚ました。
うっすらとした意識の中見た時計の時刻は…


『…0:30?!やばっ!』


帰ろうとしていた終電の時刻はもう1時間前に過ぎていて思わず目を見開く。その後で違和感を感じたのは握られた手に気づいたからではない。微かな微笑みを浮かべて私を見る人物に気づいたから。


『阿部ちゃん…起きてたの?』
阿「ふふ、Aの事見てた」
『起こしてくれるって言ったのに…』


慌てて近くにあった鞄を手に立ち上がる。ここからなら、タクシーで帰れるし…


阿「ねえ、A。もう終電ないよ?」
『う、うん。だからタクシーで…』
阿「明日は休みじゃないけどもう少し一緒にいてよ』


寝る前に見ていたはずの海外ドラマ。2人とも見ていなかっただろうそれは、部屋の静寂を遮るように流れ続けていて。阿部ちゃんが何を考えているのかを教えてはくれない。


『わ、わざと?』
阿「さあね?」


悪戯な笑顔が私の方に向けられて、自然と2人の手が触れる。阿部ちゃんの顔がゆっくりと近づいて、思わず目を閉じた。私の首あたりに埋められた顔は、モゾモゾと動いて阿部ちゃんの息がくすぐったい。


阿「Aの香水の匂い…」
『っ、』
阿「これって何つけてるの?」


声を出そうとした時には、もう遅い。目の前の景色はいつの間にか天井と阿部ちゃんしか映らなくなっていて、背中にはソファーの柔らかな感触が当たる。


『…あ…べちゃ』


晒された目は、またすぐ交わって、この時間が永遠のようにすら感じる瞳に胸がぎゅっと苦しくなった。



阿「…俺、思ったよりACHUDOKUかも」



いつもよりも何倍も低い阿部ちゃんの声が、耳から入って全身を駆け巡り頭の奥まで届いた。

続きはまた今度→←男ってわかってる?



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YUME(プロフ) - riri_purukawaさん» コメントありがとうございます(^_^)泣いてしまったなんて…嬉しくて私が泣きそうです(。-_-。)笑続編に移行しますが、そちらもどうぞお願いいたします!! (2020年8月15日 23時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
riri_purukawa(プロフ) - さっくんとのデートのとこで泣いてしまいました(;o;) (2020年8月15日 17時) (レス) id: be778bbdda (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます(^_^)切なすぎて…ってお言葉嬉しすぎます( ^ω^ )これからも更新頑張るので、ぜひ楽しんでお読み頂けると嬉しいです(*´-`) (2020年8月15日 12時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
- なんかもう切なすぎて……………こっちが泣きそうです…もう誰落ちでもいいから主人公が幸せになったらな、なんて思いながら見てます!こらからも頑張って下さい!!!! (2020年8月14日 22時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます!!私も書きながら、誰と幸せになるのか悩んでしまいます(。-_-。)みんなに幸せになってほしい(。-_-。)これからも楽しみにしていただからように頑張ります!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YUME | 作成日時:2020年7月31日 13時

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