メンバー全員、片想い2〈SnowMan〉

男ってわかってる？ ページ20

.

阿部side


『ん…』
阿「A」


俺の部屋で無邪気な寝顔を見せているのは、俺が誰よりも大切にしていた女の子。サラッと垂れた細い髪を指に巻きつけると、シャンプーの香りが俺の頭をビリビリと眩ませた。


阿「ねえ、俺が男だってわかってる？」


そんな問いかけも、聞こえているわけないのに…
信頼する同期から1番の相談相手になれたのは出会ってからすぐだった。Aの隣には俺が1番いたはずなのに、いつから彼女はこんなにも遠くなってしまったのか…


阿「そんな隙だらけの顔見せられたら、俺だって…」



女の子、女子アナ、あざとい、いつの日かそう言われる事が多くなった。そんな俺を、Aは羨ましいと笑うんだ。そんな言葉全然嬉しく無いのに…


阿「俺の事意識してよ…」



眠っているはずなのに、ピクリと動いた細い腕は側にあった俺の手を掴んだ。その瞬間、理性が飛びそうになるくらい俺はAに溺れているみたい。


チラッと見えた時計はもう11時。終電まで後30分。いつもなら、いつもの俺だったなら急いで起こしてその背中を見送るだろう。頼りになる同期として、信頼するメンバーとしてこの関係を壊すようなリスクがある行動なんてしない。


阿「今日は俺だけのAになって」


時計から目線を外すと、俺の手を掴むAの手にそっとキスをする。このまま…時が止まればいいのに。そう思いながら目を閉じた。

もう終電ないぜ→←あざと男子には用心を

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す