ソードアート・オンライン ─終わりの見えない世界に響く歌─ (ページ9)

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キリトとアスナは、後ろで『ドン！』という衝撃波が発生したのを背中で感じた。

ドラゴンの攻撃を軽いステップで避け、肩越しに後ろを見る。

視線を向けた先にいたのは...。

『槍』を握り立つカナデの姿と、『刀』を握り立つツバサの姿だった。

「これは...一体...？」

「どういう事...？」

キリトとアスナ...いや、その場に居合わせたプレイヤー達全員は目を見張った。

...ふたりとも先程までとは服装が大きく異なっっている。

鎧...とまでは言わない、強固な装備に身を包んでいる。

カナデは白と黒とオレンジ色を基調とした...そして、ツバサは白と黒と水色を基調とした装備だ。

ふたりが装備しているものはペンダントと同様、キリトやアスナは勿論、攻略組プレイヤー達が今までに見たことのないものだった。

...驚く所はそれだけじゃない。

先程見た装備フィギアの表示では、ふたりはアクセサリー類しか装備する事が出来なかった...はずだ。

けれど今、ふたりはしっかりと武器、防具を装備している。

そして、ついさっきまでふたりが首にかけていたアクセサリー...『ペンダント型のコンバーター』が姿を消している。

...いや、『カタチを変えた』とでも言うべきだろうか。

ふたりの胸元には、カタチは違えど同じ輝きを放つ、あの赤い結晶がある。

一体何が起きたんだ...と、プレイヤー達は首を傾げる。

......

「...カナデ」

「分かってるって、無茶はしねぇからさ」

どこか心配そうなツバサを安心させるかの様に、ニッコリと微笑んで見せるカナデ。

そして次の瞬間、先程の笑みを消して、ギラリと光る瞳でドラゴンを見据えた。

その瞳に映るのは、みなぎる殺意の色。

...紅蓮のドラゴンの咆哮が響く。

そんな中、ガングニールの装者は『歌』を歌い出す...。