【あんスタ】お眠り姫には優しいKissを。

『王様』と仲良しになる。 ページ6

＊





緑の瞳、少し見えるジャージが月永さんにマッチして。
私はなんとなく、見入ってしまっていた。

それこそ、瀬名さんが作ってくれた流れをぶち壊すかの
ように。


「…………書ける」


ぼそっ、と呟いた途端に月永さんはマジックペンを数本
持っていて、しかも色が五種類ほど。

月永さんはすかさず、黒のマジックペンを使って。
掃除された床に五線譜を書き始めた。

そこに、カラフルな色合いで音符を書いていく。


知らない場所に、ひとりだけが捨てられたようで。
初めての感覚、麻痺する身体。





何もかもが、新鮮で新しいことそのものだった。









「お姉さま、Hello……Oh！？落書きですか、お姉さま！？」


朱桜くんの声。
疲れきって肩で息をしている、月永さんの背中。

私、どれだけ立ち尽くしていただろう？


足が麻痺し、体の骨が動かす度にボキボキと鳴る。
朱桜くんは私の異変に気づき、月永さんの背中を睨む。


「Leader……私だけでなく、お姉さまにも何か」

「……ち、がうの。凄い…月永さん、ほんとにすごい」


月永さんが振り向いた。





汗がいい感じに輝いていて、とてもかっこいい。









にぃっ、と笑った月永さんの笑顔は。







間違いなく、瀬名さんに見せた人懐っこい笑顔で。


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