急遽ショッピング in 六本木 ページ36
３５．
(六本木か‥‥)
静かにとある
霧璃歌は車から降りて、灰谷兄に尋ねる
「六本木なのは、“六本木のカリスマ”だから？」
「覚えてんじゃん」
「なにか一つ思い出したら後は、芋づる式だよ。で、どうなの〜？」
「‥‥単純に楽だから」
「六本木はオレらの庭だからな〜」
「そういうこと」
「はー」
霧璃歌は興味なさそうに相槌を打つ
「興味薄そう」
「正解」
「おーい、入るぞ〜」
「兄ちゃん、移動はやッ。‥‥いつのまに」
いつのまにか店の入り口近くに灰谷兄は居た。行動が早い
「「「いらっしゃいませ」」」
中に入ると黒と金で上品かつ、豪華な内装の店内。どこからどうみても高級ブランド店だ
清潔さがわかる整えられた店内と店員が一行が出迎える
霧璃歌はぐるりと店の中を見回す
よく見れば、女性店員ばかり。どうやら女物の服を手掛ける店のようだ
「！！ これは、灰谷様、ようこそいらっしゃいました。本日はどのようなご用件で」
奥で作業をしていた、女性店員が慌てた様子でかけよってくる
おそらくは店長。もしくはそれなりに責任のある立場についているのだろう
霧璃歌はふ〜んとよくわからない表情で店内を見回し、灰谷弟は仏頂面で無言
どちらも話す気は欠片もなさそうだ
「ただの買い物だよ。この子に合いそうな服、いろいろ持ってきて」
代表して灰谷兄が店員と話し、霧璃歌を指さして注文を付ける
「は、はいッ、かしこまりました。灰谷様、どうぞこちらへ。VIP室へご案内いたします」
「ん」
「おい、キリュー、行くぞ」
動かず、突っ立たままの霧璃歌を灰谷弟が呆れたように呼ぶ
「ん？ 了解〜」
・・・・・・・
「キリューちゃん、どんなのが良い？」
「なんでもいいよ〜」
「‥‥‥」
VIP室の中
ずらっと並べられた沢山の服。ワンピースからニットまで内容は様々
それを背に優雅に長い足を組んだ灰谷兄がニコニコと霧璃歌に問う
それに霧璃歌は変わらず、興味なさそうに答える
(物の圧がすごい)
「ふぅ、しょうがないな‥‥‥。やっちゃって」 パチンッ
「「はい！」」
その返答に灰谷兄はわざとらしくため息を吐き、そして一変、ノリノリで指を鳴らす
すると近くで控えていた店員が動き出し、霧璃歌を丁寧にされど強引に「こちらへ」と誘導する
「ん？ え、なに‥‥ちょ‥‥！？」
こうして霧璃歌の着せ替え会が始まった
〈ノリノリなのは店員も〉
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：潮見 不可 | 作成日時：2022年8月16日 17時
