アジトにて ４ ページ33
３２．
「ねえ〜、灰谷弟はやらないの〜？」
「オレはいい」
私、灰谷兄ときたら次は灰谷弟だろうと、霧璃歌が灰谷弟に声をかけると普通に断らる
「兄ちゃん終わった？なら、さっさと行こ」
「しょうがねえな〜。次行くか」
「お〜」
「だから、なんで仕切る‥‥」
まだ？と言う灰谷弟におされ、次に行くことにした
「ん？キリューここ、血ぃ、ついてんぞ」
「え、マジ？」
移動しようとして、すぐ、灰谷弟に止められる。ストップして示された後ろの方に視線を移すと
「あら〜、足のとこに血がついてる‥‥」
べったり、ではないが血一滴ほどでもない、なんとも文章にし難い量の赤い血が紺色のジーンズのふくらはぎあたりについていた
「ん〜、怪我した覚えはないし‥‥千夜ちゃんに座ったときについたのかな？」
「あー、そういえばヤク中、今日は大口案件の他に殺しも入ってたっけ？ 今日は大忙しだな、ヤク中」
「そういえば‥‥」
「どうしよ〜、わりと目立つかも‥‥ま、いっか」
(わりと目立つ、かも？だから。よし、めんどくさいから放置！)
「いや、よくねえだろキリュー。おおざっぱだな‥‥」
「‥‥‥よし、ショッピング行くか！」
「え〜、わざわざ買いに行くの〜？ アジトの案内はもう終わり？」
めんどくさいので渋っておく
「後の上２階は
「そう？」
「‥‥いいんじゃね？ 仕事用の服、必要になるだろ」
「ん〜、それならしょうがない‥‥‥？」
「決まりだな〜。しゅっぱーつ！」
霧璃歌はあっさり篭絡され、とんとん拍子に決まっていった
・・・・・・・
「車、回しとけ」
「蘭さん！ わかりました」
エレベーターを降りて灰谷兄が近くにいた、部下かな？黒服の人に無造作に車のキーを渡す
その黒服さんは一瞬チラッと私を見た後、すぐに外に出ていった
(そんなに気になるかな〜)
「、気にはなるだろうな」
どうやら、声に出ていたらしい
「あらら、声に出てた？」
「まあな」
「ん、何の話〜？」
灰谷兄が会話に加わる
「なんでもないよ」
「キリューがジロジロ見られてるって話」
「あー、なるほど‥‥」
「ちょっと、灰谷弟〜」
合点がいったように頷く灰谷兄
(人が何でもないよと言っているんだから、そこは言わないのが礼儀でしょ〜)
空気読めてないなーと霧璃歌は若干遠い目になる
〈案内終了〉
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革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：潮見 不可 | 作成日時：2022年8月16日 17時
