最低な人 ページ15
『ずるい女だよね…異世界から来た兄さんのそっくりさんを見たいがために……彼らを騙してたようなものだよ…』
ポロポロと頬を伝う水は暖かくて、でも心はずっと傷んでた。
グルッペンさんを追い出したあと、兄さんに昔見せてもらった"友達"の写真のことを思い出した。
特に兄さんと仲が良かったという黒瀬さん、写真でしか知らないから向こうが私を知らないのは当然。
それを良いことに良い人ぶって…この世界の彼らに会えば私が彼らを利用していたとバレてしまう。
兄さんのそっくりさんに会いたくて助けたことが…
『ぴくと…ごめんこんな話…』
黙って聞いていたぴくとに謝ると彼はすごく辛そうな顔をした。
『…え？ぴく、と…？』
「…Aが鬱くんたちを騙したとか、そんなことないと思うけどな」
ぴくとはそう言うと私の涙を手で拭う。
『…どうして、そう思うの…』
「うーん、なんでだろ…わからないな…でも彼らがAに騙されたとか思わない気がする…それにAのところへ来たのは偶然じゃないと思う」
偶然じゃ、ない……
『………ぴくとは優しいね…ねぇ、最低な私でも許してもらえるかな……』
「Aのこと大好きみたいだし許してくれるよ、ほら、今日はもう帰りな？」
ぴくとに手伝ってもらい、タクシーで帰宅する。
外を見れば光り輝く街の様子が嫌なくらい眩しかった。
『…ありがとうございます…これ…』
「はいよ、これお釣りね」
タクシーの運転手さんに乗車賃を渡し、お礼を行って扉に向き直る。
ゆっくり扉を開くといつもの我が家の光景。
『……た、ただいま、です…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 601人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
壊(プロフ) - knさん…第一印象って、結構大事なんやで(遠い目) (2月16日 12時) (
レス) @page34 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
しおらーめん(プロフ) - パリフクさん» はぁ！！！そうですよね、つい終わりと書いてあったのでやめてしまったのかと思ってしまいました、、、、 (11月9日 18時) (レス) id: 4386bdb6b0 (このIDを非表示/違反報告)
パリフク(プロフ) - しおらーめんさん» コメントありがとうございます！リアルとの兼ね合いもあり更新頻度がひどく異なってしまっていて申し訳ない、少しずつ更新していく予定です！ (11月9日 11時) (レス) @page30 id: b24a8f7fb0 (このIDを非表示/違反報告)
しおらーめん(プロフ) - お、おわり、、、、なぜ、、、、なぜ、、、。無理しない程度でいいので新刊ください、、、、主様の作品無しでは生きられなくなりました､､､､､､ (11月5日 23時) (レス) @page30 id: 4386bdb6b0 (このIDを非表示/違反報告)
朱(プロフ) - パリフクさん» マンちゃんめっちゃ可愛い！！！！！ギャップきちゃぁあ！尊っ！！ (8月29日 16時) (レス) @page25 id: 3adc8ab666 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パリフク | 作成日時：2023年5月17日 3時
