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「何やってんだ！早くしろ！」
突然田中さんが現れて、萱島さんを支えて車両に乗せようと引っ張っている。
黒いモヤがドア付近まで迫っていた。
「おっさん危ない！」
田中さん近くのモヤを萱島さんが手で払う。
そして萱島さんがドアの前までたどり着いた。
「萱島さん！」
白浜さん畑野先生と引っ張り上げる。
無事に乗り込む事に成功した。
良かった、本当良かった、、
田中さんの元に米澤くんが駆け寄る。
田中さんはもう覚悟はできているといった表情で、ドアに手をかけた。
「お調子者の兄ちゃん、生きろー！！」
「田中さん！」
いなくなってせいせいすると吐き捨て、田中さんがドアを閉める。
その瞬間すごい揺れを感じ、床に倒れ込む。
後ろから萱島さんが肩を抱き、支えてくれていた。
揺れ続ける車両。
そこら上で聞こえる悲鳴のような声。
そして一番強い衝撃を感じて、身体がもっていかれると同時に、意識を失った。
誰かに揺すられて目を開けると、萱島さんの顔が見える。
ここはどこ、戻った？
キョロキョロ辺りを見渡すと、突然ノックのような音がして心臓がはねる。
ゆっくりとドアが開くと、そこには見知らぬ制服姿の男が数人立っていた。
「あなた達、どこから？」
「すいません、今何年の何月何日ですか？」
「2026年5月1日です」
その人の出したスマホには確かにそう表示されている。
本当に、戻ったんだ。
でも2026年って、、、
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作者名：藍 | 作成日時：2023年8月20日 22時
