検索窓
今日:51 hit、昨日:5 hit、合計:17,886 hit

77 ページ27

.


「もう他人じゃ無い、ずっと一緒にやってきた。一人が得意とか言うな!本当に残りたかったらそうすればいい。強制なんてできない。でも弟さんを助けられなかったことの絶望から、逃げ出してるだけじゃないのか」

「勝手に決めつけんな!」

「この先俺たちはずっと思う。萱島さんはどうしてる。何で置いてきた。本当は助けたかった。ずっと後悔する」


白浜さんの言葉に自然に涙が溢れて、止められなかった。
ずっとみんなを引っ張ってきた彼の言葉は、重く説得力がある。


「いつも萱島さんはいてくれた。側で毒づいて、一人で突っ走る俺の側でからかって、それにはイラついたけど、でもそのおかげで今日まで生きてこれた!萱島さんを助けられなかったらきっと俺は一生後悔する」


胸ぐらを掴み、真っ直ぐ見据えて言葉をぶつける。


「一緒に来い、俺を信じろ」

「やれるだけ、やってみるか」


あんなに心を閉ざして、周りを跳ね除け続けていた人が、初めてやっと人を受け入れた。

ここに来て一番、リラックスしたような表情を見せた萱島さん。
場違いだけど、惹かれている私がいた。

やっと開かれた心の中に、私も入れるかな、、



そして、みんなで急いで走り出す。
本格的に嵐が来る前に戻らなきゃ、

車両に戻ると米澤くんや加藤さんが、躊躇している人達を急かしていた。
あの様子、ワームホールが現れたんだ!

私も一緒になって声をかける。
みんなに戻って欲しい。
でも不安が勝つのか、足を前に出す人はいない。
どうしよう、このままじゃ、、


「今しか無い!これが戻る最後の手段です!」


白浜さんが大声で全員に呼びかける。
全員を救う、白浜さんの信念が彼を突き動かしている。

それでも戸惑っているようで、誰も動こうとしない。


.

78→←76



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
93人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年8月20日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。