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「俺はこの目で見て、もうあれは超常現象、ていうかもう何でも起こり得るんだなって実感したよ」
白浜さんも加藤さんに習って、興奮気味に萱島さんを諭した。
白浜さんまでこんなに熱弁するってことは本当に現れたんだ、ワームホール。
元の時代に戻れる、、、
「小春」
声のした方を向くと、小春ちゃんが身を起こしていた。
涙ぐむ小春ちゃんに寺崎さんが寄り添う。
寺崎さんは、自分の娘かのように慈しみ包み込んでいた。
「私、この子の母親になる」
涙ながらに、でもしっかりと呟く小春ちゃん。
覚悟したんだ、すごい。
恐怖と不安の中、どれだけ勇気のいることか、一人で決意したその顔は、すでに母親の強さが垣間見えていた。
「ねぇ誰も言わないからはっきり言うけど、最悪じゃん。ここで子供産めると思う？のんき？なんかあったらどうすんの」
「必ず帰ろう。みんなが待っててくれてる」
玲奈さんの現実的な言葉に全員が困惑するも、白浜さんの一言に顔をあげた。
「そして、こんな未来にならない為に、元の世界の人たちに知らせる」
「そんなこと出来んのか」
「やるしかない。みんなで帰ろう、元の世界へ」
やっぱり私たちのリーダーであり、指標は白浜さんだ。
彼がいればどんな困難さえ乗り越えられる、そんな気がする。
前に、進もうと思える。
そして次の日、
海老原さんによると、隕石がワームホール出現のきっかけになるかもしれないとのことで、全員で隕石探しをしていた。
「みんなこれ見て！」
米澤くんの声に、全員が駆け寄る。
これは、、、
「電線を見つけました」
「一番最初に見つけたん、俺ね」
ドヤ顔で白浜さんの横に立つ米澤くん。
でもどうやらすごい発見らしい。
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作者名：藍 | 作成日時：2023年8月20日 22時
