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「ごめん」


その言葉と同時に身体が離される。
ごめんって何?
どういう意味なの

目戦すら合わないまま、急ごうと告げられ、また歩き出した。

確かに小春ちゃんの事もあるけど、私たち気持ちが通じたんじゃないの?
釈然としないまま、捜索していると、前を歩く萱島さんが小春ちゃんを見つけた。


「大丈夫?寒くない?」

「和真!いた!」


萱島さんが大声で江口くんを呼ぶと、慌てた様子で走り込んでくる。


「小春、、」


小春ちゃんは何も発しないまま、四人で車両へと戻った。



「え?どういうことですか?」

「見たんだ。トンネルの中で」


小春ちゃんを横にして休ませていると、電車内は明らかにおかしな空気に包まれてた。

白浜さんに話を聞くと、なにやらトンネルにワームホールと思われる穴が出現したらしい。


「そんなことって、本当にあるんだ」

「あれは確かにワームホールだった!びっくりしたー。初めてこの目で見た」


加藤さんは初めて見るハイテンションで、初体験に感動していた。
確かに、私も本当に見たらテンションは上がるかもしれない。


「蓮見先生の研究を自分なりに勉強してみたんです。数千光年遠くで起きた超新星爆発によって生成されて飛来したワームホール。それはずっとあそこにあった」


トンネルを指して雑誌片手に説明する加藤さん。
推理ショーを繰り広げる探偵のように練り歩き、少々早口で並べたてている。


「それが夕べの嵐でまた開いたんだとすれば、もう一度嵐や地震、雷みたいな自然エネルギーの発生。オーロラみたいな宇宙磁気圏の乱れ。そう言った条件が揃えば、またワームホールは開くんじゃないかと!」

「マジなの?信じられないんだけど」


本当それ、
そんな不思議なことが現実なのか、見たこともない現象が素直に受け入れられなかった。


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作者名: | 作成日時:2023年8月20日 22時

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