8 ページ8
.
ぼーっと火を見ているのってなんかハマってしまいそうになる。
これがアウトドアの魅力なのかな
もし元の世界に戻れたら1人でキャンプなんか行くのもいいのかも
なんて考えていると隣で大きなため息が聞こえてそちらに目をやると、電子タバコを持って悔しそうな表情の萱島さんがいた。
「電池切れですか?」
「禁煙生活始まり始まりーってね」
「意外にいけますよ禁煙って」
萱島さんと同じ様な電子タバコを吸っていた頃を思い出す。
感情がなくなってしまっていたあの頃を
「吸ってたんだ、意外」
持て余した電子タバコをいじりながら、こっちを見た萱島さんと目が合った。
彼の目を見ていると、なんで吸っていたかその理由さえ悟られそうで、逃げるように焚き火に視線を戻した。
「A先生、萱島さん、代わります」
「畑野先生」
「2人とも少し休んで下さい」
畑野先生はこんな状況でもいつだって優しくしてくれる。
こういう優しさがこの荒廃した世界では癒しになるんだろうな。
「お二人はお知り合い?」
「同じ学校に勤めてるんです、私は体育でA先生は養護教諭で」
「元同僚ですね、ちょうど辞めたタイミングだったんで」
また畑野先生に罰の悪そうな顔をさせてしまった。
なんだか居た堪れなくなった私は、電車に戻ると言ってその場から出てきた。
この訳の分からない世界で、ただ自分の命を繋ぐことに必死になるけれど、絶対に忘れさせてはくれない。
いつだって頭のどこかにはあって、すぐ私を暗闇に包み込んでしまう。
目を強く瞑って早く眠りについてほしいと願った。
何も考えなくて済む様に、
.
138人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時