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「私は私が憎い、愛のない行為を許す様な自分も、生徒一人にさえ真っ当な道を示せなかった自分も、汚い大人のやりとりに加担してしまった自分も、もう許せない、、」
まるで迷宮に入り込んでしまったような感覚に襲われる。
私は永遠に自分を責め続けなければ、もう納得することはできない。
自分以外、誰も罰してはくれないんだから、
突然肩を掴まれて、顔を上げると目の前に萱島さんの顔が飛び込んできた。
「間違った方を選んだのかもしれない。でもそれは愛があったからだろ!クソみたいな生徒にさえあんたは愛があった。その思いは間違ってなんかない。ものすごく追い詰められた中でやれるだけやった、もう全部捨てろ、された事もした事も、全部置いていいから」
「置いて、置いていい?」
「頑張った。ギリギリの中で全部背負い込んでよくやったよ。だからそんなの投げ捨てろ、あんたは悪く無い。そして自分の傷とちゃんと向き合って、労われ」
それはまるでヒーローのように、子供の様に泣き喚いていた私の心を拾い上げて、
彼の言葉が、私を私の心を救った。
それが全てだった。
「本当は怖くて、いつも泣きたかった。誰かに守られたかった。でも1人でなんとかしなきゃってその思いだけで、やっと立っていたから」
涙が溢れて、やっと力が抜けた様な気がした。
「なんて言っていいのか、上手く言葉にならないけど、人はみんな間違う。そして間違う理由は悪意だけじゃ無い。AさんはAさんなりに、その生徒を救おうとしたんだ。それはまさしく教師なんじゃないかな」
「白浜さんはこうして、いつも誰かを救ってますね。白浜さんこそ立派な消防士です」
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時