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2022年、イタリア・ローマ。
バーに立ち寄り、カウンター側の席に腰掛けたところで、ちょうど国際電話がかかってくる。端末のディスプレイに表示された名前に頰が緩むの自覚しつつ、
「もしもし、A？」
「鉄朗？今大丈夫？イタリアは午後9時くらいだよね」
「ダイジョブですよ。えっと今日本は…え？午前5時、？」
指折りで日本との時差を計算して驚いた俺に、彼女がふふふとスマホを挟んで耳元で笑う。鉄朗がいい時間いつかなって思って計算して早起きしたの、と嬉しそうに笑うA。
こっちに着いて、ピサの斜塔やら本場のフォカッチャに生ハムやらで目も口も楽しませてきたけれど、それよりもやっぱり日本にいる彼女に会って今すぐ抱きしめたい。そんな気持ちになる。
「もうーなんでそんな可愛いんすかね……いつもだけど…」
「何言ってんの、今から影山選手たちと打ち合わせなんでしょ？」
ちゃんとスペシャルマッチに妖怪世代みんな連れてきてね！と笑うから、「任せなさい！」とついでにお土産の約束としばらく近況報告をして電話を切る。
それを見計らったタイミングで粋そうなバーテンダーが近づいてくる。国籍とか年齢だとか、そんな無粋なことは聞かず、ただ欲しいカクテルを聞いてくるから、
そう告げると、意外そうに片眉を上げながら、“さっきの女性かい？”なんて尋ねられた。ジョークでもなさそうなそれに思わず笑いながら“後にも先にも彼女だけだよ”と頷き返す。
目の前に差し出されたオレンジのスパークリングカクテルを喉に流すと、甘酸っぱいザクロとベリーが広がった。
彼女みたいだ、と想う自分に若干の
気持ち悪さを覚えつつ、また一口含む。
何度接しても新しい気持ちで、ああ好きだなと思いながら、きっとそうやって繰り返しまた好きになっていく。
彼女に初めて恋した時の気持ちのまま、好きであり続ける。
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黒尾ファン - わああああああああかっこよすぎます!！もう大好きです。惚れましたこのような作品を作ってくださりありがとうございました感謝しかありませんこれからもがんばってください (3月26日 21時) (
レス) @page26 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
氷咲＠氷珀(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっと気になっていた作品でやっと読破したのですが、めちゃくちゃ癖に刺さりました！言葉のセンスとか、文体とか、会話の間から本人たちの温度の表現まで、コメ欄250文字では表せないくらい最高でした！完結おめでとうございます✿ (3月8日 12時) (レス) @page25 id: b0b4af51b9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎話ずっと少女漫画を読んでるようなトキメキをくださる作品で、本当に大好きです…（泣）アナザー楽しみにしております、一先ずはお疲れ様でした…！！ (3月7日 21時) (レス) @page25 id: a2759a36ff (このIDを非表示/違反報告)
坂崎(プロフ) - 執筆お疲れ様でした…！普段めったにコメントすることはないのですが、お話の運び方や表現の仕方がとっっっっても胸に刺さってもっと黒尾さんが好きになりました（；＿；）本当にこの作品に出会えて良かったです…！次回作も楽しみにしております！🖤 (3月7日 18時) (レス) @page25 id: db3faabed6 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎話ドキドキしながら読んでいました💕 かっこいい黒尾さんをありがとうございます！アナザーストーリーも楽しみにしています✨ (3月7日 10時) (レス) @page25 id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パルム | 作成日時：2024年2月16日 22時
