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彼とLIMEを交換してからは、一気に距離が縮まったような気がした。
彼からバイトのことしか話されないのかと落胆していたのも束の間、他愛もない会話が私の日常を埋め尽くす。
バイトがない日も、彼と話せていることが嬉しくて勝手に舞い上がっていた。
今日は大学ないんだ、いいな。
昼前最後の講義中、後ろの席でぼうっと教授の話を聞きながらサイレントで来る通知に胸を躍らせる。
何するんだろう、そんなことを考えながらあまり詮索しすぎないように返事を返した。
今日は講義ないから、大学行ってないんだ
そうなんだ〜。ゆっくりできるね
Aちゃんは、何コマ目まであるの?
今受けている講義で終わり。
つまりあと40分弱で今日の大学は終わり。
そう伝えれば思いの外早くつく既読。
トークを開けたままにしていたので、私もすぐに既読をつけてしまった。
この後って暇?お昼ご飯でも一緒に行かない?
私は、ごくりと唾を飲んだ。
既読をつけてしまったからには返さないと。
期待しない、期待しない。
勘違いしない、勘違いしない。
弟者くんがよければ、一緒に食べたいな
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その後の講義はあっという間だった。
いや、弟者くんに会える楽しみで全く聞いていなかったんだ。
現地で待ち合わせをしたため、会えるのはもう少し後のはず。
早く着きすぎてしまった。
どうしよう、変な格好じゃないよね。
大学を出る前に少し化粧直しをしたけど、急いでいたからゆっくり確認していなかった。
「 やばい、緊張する。 」
「 Aちゃん…、だよね？ 」
「 あ、弟者くん、 」
後ろから声をかけられ、振り返ってみれば少しお洒落をしている弟者くん。
やばい、かっこいい。
けど面と向かってそんなことを言えるはずもなく、私は彼の次の言葉を待った。
「 待たせちゃったよね、ごめん。寒くなかった？ 」
「 ううん、さっき着いたところだから大丈夫だよ。 」
本当はだいぶ前からここにいた。
講義以外に外出するつもりはなかったため、少し薄着な私を心配してくれた弟者くん。
外じゃなんだから、とお店の中へナチュラルにエスコートしてくれた彼についていく。
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作者名：まる | 作成日時：2024年3月12日 18時
