検索窓
今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:1,375 hit

. ページ17

.





side.弟



隣で眠るAちゃんを起こさないようにゆっくりと起き上がって、スマホを見る。
だいぶ時間が経っていて、夜ご飯すら食べずに眠ってしまっていた。




「 やべ、兄貴からめっちゃ電話かかってきてる。 」




俺は現実逃避しすぎていたせいで、すっかり兄貴のことが頭から抜けていた。
今日、夜ご飯当番俺だった。

溜まる不在着信の通知を一つ押せばワンコールで繋がる。




「 "よう夜遊び弟者くん、手前ェ今どこだ。" 」

「 今、えっと、女の子の家にいる…。 」


「 "一言連絡入れろよお前なあ。結局おついちさん呼んでご飯食べちまったよ。帰るのか?帰ンねえのか?" 」





電話越しには兄者の声だけじゃなく、おついちさんの声も聞こえた。
スピーカーにしているのか話の内容は筒抜けだった。





「 "え?女の子?もしかしてこの前から言ってた子?ふふふ、やるねえ弟者くん。" 」

「 ちょ、おついちさん揶揄わないでよ。 」



「 "ま、いいや。じゃ、帰ってくるなら一言連絡入れろよ。" 」

「 "弟者くん、楽しんでー。" 」





そう言って一方的に電話が切られる。
俺は頭を抱えてベッドに腰掛けた。

後ろを見れば静かに寝息を立てるAちゃん。見れば見るほど可愛い。


俺はさっきのことを思い出して、気持ちがたち上がる。それを抑えるように、彼女の頭を撫でてみれば気持ちよさそうに身を捩る。






「 俺たち、今日から恋人でいいってこと? 」


返事がしないとわかりきっていて俺はAちゃんに問いかけた。
俺は彼女をもう泣かせないようにしようと心に決め、立ち上がって何かご飯の準備ができないかとベッドを離れた。





.

【秋】→←縮まる距離



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:2bro. , 弟者
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まる | 作成日時:2024年3月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。