51話 ページ5
凛 side
夢主、という名前を知っていたのは昔、糸師冴から何回も聞いていたからだ。
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「にいちゃん！さいきんどっか行ってるけど、何してるの？」
この頃の兄貴は、近頃サッカーをしない時間に何かに割いて過ごしていた。
「凛。…あぁ、別に、何でもねぇよ。」
ポンっと俺の頭に手を置いて何でもないように話すが、あの時の俺はとにかくアイツにしつこく尋ねた気がする。癪にも傍にいることが嬉しかったからだ。そんな俺を見てか、観念するようにため息を吐いた兄貴はソファに座って話し始めた。
「河川敷に、最近面白い奴が出てきた。」
少し遠くを見つめて思い出すように話す兄貴から出た”面白い奴”という言葉に俺は首を傾げた。そんな事をいう兄貴は初めてだったから。
「夢主っていうらしい。そいつがどんな奴かはよく知らねぇが、サッカーの実力に関しては妙に吸収が早かった。」
今はやってねぇみたいだが。そう呟いている兄貴の目は少し光って見えた。その瞬間、俺の心の中には嫉妬という感情が沸々と湧き上がってきた。ズルい、俺の方がサッカーしてるのに。知らない奴がにいちゃんを…という醜い思いが幼い体から溢れてきた。
「でもっ！俺の方がサッカー上手いし！」
「…あぁ、そうだな。凛は上手いよ。」
そう言って、笑って頭を撫でてくれる兄貴に満足しながらも、どこかではまだ嫉妬心が溜まっていた。俺は言葉だけでは飽き足らず、遂に兄貴が河川敷に行ったところを着いていってしまった。
「さえくん！今日はトランプしよー」
「あぁ？俺がんなことするかよ。」
「へぇ、こわいんだ。じゃあしょうがないなー」
「は？誰が怖いっつた。5秒で終わらせてやる。」
「それはルール的にむりがあるよ。さえくん。」
河川敷にある大きな柱の裏で見たのは、兄貴がその夢主という女と楽しそうにサッカー以外で遊んでいることだった。そして、夢主の声を聞いた瞬間に、持っていた筈の嫉妬心以上に心臓が跳ね上がった。幼い声と混じったフワフワとした声や笑顔に俺は何だか分からなくなって、二人の間に割り込む事も出来ずに暫くの間、ただ呆然と見ているだけだった。
「(なんだこれ…、変なかんじ。)」
そこにあったのは、未だに分からない、心にいっぱいに膨らんだ帆のように落ち着かない気持ちと同時に、兄貴とサッカー
続く (更新停止中)
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シア - 最新待ってます‼︎ (9月17日 1時) (
レス) @page5 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 続編おめでとうございます！自分のペースで頑張ってください！応援しています！ (8月21日 5時) (レス) @page5 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
Akal(プロフ) - すみません､オリジナルフラグ立ってますよ｡この作品は､二次創作ですよね｡ (2023年4月11日 17時) (レス) id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年4月11日 15時
