【呪術廻戦】皆が尊すぎて死にそうです３

84.セクハラな人はどの時代にでもいるようで ページ4

頭の中で一瞬で流れていった過去の記憶。


もう戻ることの出来ないあの頃を思い出し、思わず笑ってしまった。



まあ、目の前にいる宿儺さんは何があったのか知らないから不思議そうな顔でこっちを見てるけど…。



記憶としてはかなり長かったがこっちの時間は殆どたっていないらしい。



相変わらず貧血でフラフラするし、息をするだけで体が痛いけど、今にも倒れそうな体を何とか両足で踏ん張った。


ゆっくりと呼吸をして気持ちを落ち着かせる。


素早く三角形の印を宙に描いた。


同時に私から溢れ出す呪力に気づいた宿儺さんが私から離れようとするが、咄嗟に左手で宿儺さんの腕を掴んだ。





『“風操呪法 神渡し”』





パチンッと指を鳴らすと音が反響して戻ってくる。


くるりと右手の人差し指を宙で回すと呪力を纏った風がそこに集まってきた。



相討ち覚悟…と言うより最後にド派手にやっちゃおうって感じだ。

どうせ、こんなもので宿儺さんは倒れないから。






『“輪廻”』






ひゅっと指を振り宿儺さんに向ける。






ドガアァァァン！！






響き渡った爆発音が耳元で鳴り続けた。


突風が荒れ吹き、その鋭い風に当たるだけでも皮膚が切れて血が出て地味に痛い。



大量に舞った砂埃でむせ、ごほごほと咳をすると口の中から血が出てきた。


……うん、気持ち悪い。





風が漸く収まって見えてきた宿儺さんの姿。


思ってたよりボロボロだった。


防御が殆ど出来なかったからかもしれないけど、至るところから血を流していて左腕なんかどこかに行ってしまっている。


全部反転術式で治されていくけど。

でも、ちょっとは治るのが遅いかな………多分。






「……A、良い物を魅せてくれた」







あっれ、気のせいかな。

みせてくれたの“み”が魅だった気がする。

それ、めぐみん専用じゃないの？

え…………………………、どゆこと？←






疲れからか頭の中が可笑しくなってるけど、それは皆さん気にしないでください。

ただパニクってるだけだから。





呪力が空っぽで体に力が入らなくなりぐらっと視界が揺れた。

地面にぶつかったら痛いかなぁなんて思っていたが全くぶつからない。


流石に可笑しいと思い目を瞬くと……。

その距離感約１cm。


超イケメン宿儺さんの顔が見える。


思わずフリーズしてしまった私。


浮遊感を感じたと思えば宿儺さんに横抱きにされていた。






「軽いな」

『セクハラですか？』

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